はじまりはじまり
とある山奥にある綺麗な川。其処には昔から河童が住んでいるという言い伝えがあった。時々山から降りてきて、村のキュウリをいくらか盗んでいくという話も出ていたが、ソレはもう170年も昔の話。
じゃぁ、今現在はどうなのか・・・。
「住んでるってー。今目の前にいるじゃない。見えてないのかー?・・・アレか、現代社会はぱそこんとかいう画面の向こうに嫁を作るっていう夢みたいな機械のせいで、現実を見る事も出来ないのか?」
・・・あのね、コレは河童のお話よ?人間の僕はココにはいない事になってるの!僕はただのナレーターなんだから、君達と話してたらおかしいの!分かる?パソコンの認識も間違ってるし!!
「んー難しい話はわからん。もっと簡潔に。」
えー・・・こほんっ
百年以上前にいなくなったとされる河童は、今もその川に住んでいた。河童の末裔の三匹が。
「無視しないでよぅ。」
彼ら以外の河童はとうの昔に全滅したらしく、彼らはホントにホントの末裔なのである。
・・・それにしても、この河童たちは異様に小さい。河童は昔から人間の身長と殆ど変らないサイズとされてきたが、この河童たちは掌に乗るサイズである。ぬいぐるみと間違えてしまいそうだ。
「アレだよねー、僕らの御先祖様って過激にも『尻小玉』ってのが好物だったじゃない。」
「そうそう。栄養は偏るわ、体調崩してばたばた死んでいくわ、最悪だったよねぇ。」
「まぁ、尻小玉なんて臭いし汚いし、食べたら体調崩すのは当然だけどな。」
尻小玉というのはつまり、臓器の事である。お尻から引っ張り出していくから尻小玉って言われるらしい。
「まったく、ご先祖様たちがそんな成長できないもんばっかり食べてるから、僕らに被害が及ぶんだよー。」
「食中毒で河童全滅とか、情けない話だよな。知れ渡ってなくて良かった。」
・・・人間が川を汚したことは関係無いのだろうか??
「そういう事にしとけば、僕らの祖先の情けない話が知れ渡らないし、人間は環境を考えるようになるし、一石二鳥じゃない。」
・・・なんてこったい。
え、えっと、受け流しましょうか。
彼らは三兄弟で、長男が・・・
「とうー!」
ゲフッ!
・・・何するの・・・
「自己紹介くらい自分でできる!ナレーターごときがでしゃばるでないー」
そりゃないわ。雇われた来たのに。
「さぁさぁ、寄ってらっしゃい見てらっしゃいー!」
「何かがぬるぬる始まるぞ。」
「僕たち、河童三兄弟が活躍するよ。」
「まぁ、紹介しちゃうと―、僕、長男河童と次男河童。そして」
「「・・・・・・・・??」」
「・・・あれ、兄さんたち、首なんか傾げてどうしたの?僕、まだ紹介されてないよ?」
「笑いアリ、涙ナシの河童ストーリーの開幕だよー」
「涙は無しかい。めんどいな。」
「そりゃないよ兄さん達!!ボク末っ子河童だってばーーーー!!」
「じょーだんじょーだん、僕らの可愛い末っ子ちゃん」
「・・・やれやれ」
うぅ・・・
「河童何様!?」はじまりはじまり・・・
始めの文章から大幅に改造しました。
申し訳ありません。