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短編

星屑のメロディー

作者: あきの丘
掲載日:2026/01/10

時は夜。

ベランダに続く窓を開ける。

ひどく冷たい右手で。

望遠鏡を左手に。


見えないものを見ようとして、

望遠鏡を覗き込んだ。


そこには過去しかなかった。


空に輝く星々は、

今に輝く星々。

そして、過去が生んだ星々。


星は、遠くから見る分には美しい。


夢だってそうでしょう。

子どもの頃、何にだってなれる気がしていた。


近づきすぎれば焼き尽くされる。

太陽ならば。


近づきすぎれば荒々しい地面が見えてくる。

月ならば。


近づきすぎれば無に等しい砂漠。

岩肌の露出した険しい山々。

視界一面の花畑。どこまでも広がる海。

東京の高層ビル群。

満員の車内。遅延する電車。

駅前に佇む謎の銅像。

その背後、新しくできた駅ビル。ガラス張り。

その横、50年前に建てられたデパート。天井の低いフロア。

道端に捨てられたタバコの吸い殻。

以前より値上がりした自販機の飲み物が見えてくる。

地球ならば。


近づきすぎれば知りすぎる。

夢ならば。


夜空に煌めく星々は、

あるいは大人たち。

そして、今を生きる大人たち。


煌めく星々の一員に、僕はなれるだろうか。


空に輝く星々は、

あるいは、星屑とも言われる。


屑には二つの意味がある。


ひとつ、何の役にも立たないもの。

ふたつ、良い部分を選び分けた残り。


さまざま側面を見ることができるこの地球ほし

ただただ近づくだけでは何かが見えすぎてしまう。


夢に対する絶望よりかは、

夢に対する希望を謳いたい。


たまには望遠鏡から目を離し、

広い世界を眺めてもいいかもしれない。


酸いも甘いも抱きしめて、僕は奏でる。

星屑のメロディーを。

お読みいただきありがとうございます!


たまにはぼーっと、夜空を眺めてみてください。

広いなぁーって感じると思います。

そういう感覚になることって意外と少ないと思いません?

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