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短編

星屑のメロディー

作者: あきの丘

時は夜。

ベランダに続く窓を開ける。

ひどく冷たい右手で。

望遠鏡を左手に。


見えないものを見ようとして、

望遠鏡を覗き込んだ。


そこには過去しかなかった。


空に輝く星々は、

今に輝く星々。

そして、過去が生んだ星々。


星は、遠くから見る分には美しい。


夢だってそうでしょう。

子どもの頃、何にだってなれる気がしていた。


近づきすぎれば焼き尽くされる。

太陽ならば。


近づきすぎれば荒々しい地面が見えてくる。

月ならば。


近づきすぎれば無に等しい砂漠。

岩肌の露出した険しい山々。

視界一面の花畑。どこまでも広がる海。

東京の高層ビル群。

満員の車内。遅延する電車。

駅前に佇む謎の銅像。

その背後、新しくできた駅ビル。ガラス張り。

その横、50年前に建てられたデパート。天井の低いフロア。

道端に捨てられたタバコの吸い殻。

以前より値上がりした自販機の飲み物が見えてくる。

地球ならば。


近づきすぎれば知りすぎる。

夢ならば。


夜空に煌めく星々は、

あるいは大人たち。

そして、今を生きる大人たち。


煌めく星々の一員に、僕はなれるだろうか。


空に輝く星々は、

あるいは、星屑とも言われる。


屑には二つの意味がある。


ひとつ、何の役にも立たないもの。

ふたつ、良い部分を選び分けた残り。


さまざま側面を見ることができるこの地球ほし

ただただ近づくだけでは何かが見えすぎてしまう。


夢に対する絶望よりかは、

夢に対する希望を謳いたい。


たまには望遠鏡から目を離し、

広い世界を眺めてもいいかもしれない。


酸いも甘いも抱きしめて、僕は奏でる。

星屑のメロディーを。

お読みいただきありがとうございます!


たまにはぼーっと、夜空を眺めてみてください。

広いなぁーって感じると思います。

そういう感覚になることって意外と少ないと思いません?

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