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プロローグ オレンジ色の準備室
放課後、夕方五時半。
青鐘学園高校旧校舎、家庭科準備室。夕日に染まった室内には、近所の児童公園で流れている蛍の光が運動部の掛け声と共に聞こえてくる。
「なぁ幸太朗。これいつ終わんの?」
ソファの一番右に座っている少年が、一番左に座っている、『せいねん…?』のような人物に文句を言った。
「私だって思ってたわよ?でも言っちゃいけないの、それは。お約束ってやつよ」
幸太朗、と呼ばれたオネエ口調の人物(青年?……青年(確信))も、うんざりした顔で手を動かし続ける。
「なんでも係だからね。なんでもやらなくちゃ」
一番右に座る穏やかそうな青年が、その笑顔に疲労を滲ませる。
「それにしてもだよ、日和…!」
穏やか青年に泣きつく少年。
「なんで生徒会のチラシ折り千枚もしなきゃなんだよ‼︎」
いよいよ勢いづきソファから立ち上がった少年は、手に持っていたチラシを握りつぶした。
「飛鳥、それ無効ね。やり直し」
「うわーーーー!!!!もう嫌だ!」
これは、校内なんでも係の日常。
猪突猛進な飛鳥と、
才色兼備の日和と、
オネエの幸太郎の。
高校生活二年間の話である。




