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夜桜と月

作者: 出雲 寛人

夜桜と月。


僕が好きなものだ。


昼に見る桜も好きだけど、夜桜はもっとロマン要素を含んでいて綺麗に見える。


夜、屋形船に乗った時の景色を忘れない。


水面に映る満月に夜桜がひらひらと舞い落ちていた。


夜桜と月。


僕が好きなものだ。


無理言って宇宙飛行士にお願いした。


「月に桜を挿木してきてほしい。」


無理言って科学者にお願いした。


「月でも桜が育つような環境を科学で整えて欲しい。」


その他にもいろいろな人に、月で桜が育つためのお願いをした。


そして宇宙飛行士は地球を飛び立ち、月に着陸した。


早速月に挿木し、帰還した。


僕は人生最後の瞬間に、月から生える夜桜を見えると思ったが、まだ桜はそこまで育っていなかった。


50年後


親父がいろいろお願いして月に桜を生やしたらしい。


なかなか奇抜なことをしてくれた。


そのおかげで今や地球から月に簡単に行けるようになってしまった。


桜は月という新しい環境で育ったため、成長の過程で何度も変異が起きた。


そしてグングン幹や枝を伸ばし、とうとう地球の大気圏を突き破って地上に到達した。


しかしまだ花は咲かないでいた。、


そしてあらゆる企業がその枝から月に行けるように枝の内部に人間が入り込めるスペースを作り、月に行けるようになった。


せっかくだから、親父の遺骨を月に持っていって桜のそばに埋めてあげることにした。


月に遺骨を埋めて、地球に帰ったその日に、息抜きで屋形船に乗った。


水面には、巨大な桜が生えた満月が映っていた。


そして、月から地球に刺さっているすべての桜の枝から花が咲き誇った。


親父が月で笑っている気がした。


僕も今日から、夜桜と月を好きになった。

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