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右手だけになった妹
体の一部を残して透明になってしまう病気が流行っている。
私の妹もその病気にかかり、右手を残して他は全て透明になってしまった。
残る体の部位は様々だがこの病気の患者は大勢いて、妹のように右手だけになってしまった人も少なくない。病院に入院した妹を見舞いに行った際、彼女の同室はみんな右手だけだったのでどの右手が妹なのか判別がつかず、彼女をひどく悲しませてしまったので、私はお詫びとして彼女に赤いネイルを買ってあげた。
妹は喜んで毎日ネイルを塗るようになったので、これでどの右手が妹なのか判別がつくようになったのだが、それを見た同室の患者の間でネイルが流行したらしくみんながネイルを塗り始めたので、次に病室に行ったとき私はキラキラした右手たちに囲まれてどれが妹なのかまた頭を悩ませる羽目になったのだった。