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2度目の人生に希望の花束を  作者: 璃空 藍
第1章 転生と学園生活
8/8

第7話 ベリアル神国

第7話です。対戦よろしくお願いします

お久しぶりです。約2ヶ月ぶりの更新です。

 2人といくらか走った後、キャネル・ローゼ先生率いる『リュミエール・オランジュ』のパーティメンバーの人たちが指導の手伝いに入ってくれて、スキルの他にも回復魔法や防御魔法、攻撃魔法などを多少扱えるようになった。

 しかし、リキはまだスキルをまともに使えないようだった。


「午前の授業はこれで終了だ!午後からは地理をやるから、時間までには席についておくように」

「……リキ、大丈夫?」

「大丈夫だよ!それもこれも、俺が炎への恐怖を克服できないせいだから……」


 そういうリキの表情は、さっきからずっと悲しそうなままだ。


「リキは何も悪くないよ。リキの心の傷を癒してあげられない私が悪いから」

「これからちょっとずつ使えるようになっていけばいいんだよ!」

「2人とも……ありがとう」


 そう言うと、リキの表情が少し柔らかくなった。元気になったのなら何よりだ。


「アヤセ、ちょっといいか?」


 声をかけられて振り向くと、そこにはローゼ先生がいた。


「あ……はい!ごめん2人とも、先行ってて!」

「わかった!後で連絡するね!」


 2人の姿が演習ホールの人混みに溶けていく。

 2人がほとんど見えなくなった頃、先生が私に話しかけた。


「アヤセ……お前のその身に秘められた魔素量を見込んで、頼みがあるのだが」

「はい、なんでしょう」

「先の襲撃で破壊された演習ホールの特殊結界を張り直すのを、アヤセに手伝って貰いたい」


 そういえば、魔神ベリアルの手下さん達がやってきた時、魔法が普通に当たっていた。あれって、魔法が人に当たったり、ホールが破壊されるのを防いでいるっていう結界が破られていたからだったんだ……


「……なんで私なのでしょうか?適任は教師や先輩方など、他にたくさんいると思いますが……それに、今日の授業時には結界を張っていなかったのですか?」

「ああ、一つずつ答えよう。まず適任についてだが、アヤセは体内の魔素量とそれを扱う技術ともに申し分ない。まだ荒い部分は多々あるが、すでにその実力は学校の中でもトップクラスと言えよう」


 え、そうなの?

 私、人より少し魔素の量が多いだけで、実力は人並みだと思ってたけど……まあ、きっとお世辞なんだろうな。


「それと、今日の授業時は学校の教師で簡易結界を張っていたんだ。簡易結界なら、まだ魔法を使い始めたばかりの一年生の攻撃ぐらいなら防げるが、あの結界をいとも簡単に壊した魔神ベリアルの手下なら、この簡易結界など赤子も同然だからな。迅速に以前張っていた結界よりもさらに強固な結界を張る必要がある」

「なるほど。その強固な結界を張るには、教師だけでは人手不足……と」

「ああ。察しが良くて助かるよ」


 まあ、またあんなのが攻め込まれてきたら困るし……正直、私に結界が張れるかなんて自信はないけれど、何事もやってみないとか。


「わかりました。私でよければ、お手伝いしましょう」

「……感謝する。では放課後、演習ホールに来てくれ」

「はい。では、私はこれで」


 ……はあ。お城にいたときに礼儀作法を一通り学んでおいてよかった。

 右手で拳を作り、胸に当てて一礼する。自分より立場が上の人へ敬意を表す……まあ、要はお辞儀みたいなものだ。

 どこに行っても失礼がないようにと、独学で全ての都市の礼儀作法を学んでいたのだが、やっぱり勉強しておいて損はないよなぁ。


「アヤセ!話は終わったのか?」


 後ろを振り返ると、少し離れたところでリキとサイカちゃんが手を振っていた。


「うん、今行くよ――」


 そう言って2人の元に行こうとした瞬間、何かに掴まれた感覚がして、私の視界は暗転してしまった。


 **


「うっ……」


 気づくと、ふかふかの……布団の上に、私はいた。

 あの後どうなった?2人は?

 ……だめだ、何も覚えてない。


「起きたのか?大丈夫か?痛いところはないか?」


 横を見ると、がっしりとした体型の、身長が2メートルぐらいありそうな男性が目の前でしゃがんでこちらを見ていた。


「大丈夫ですよ。……あ、少し首が痛いかも……」

「えっ!?すまない、お前を気絶させる時に力を入れすぎたのかもしれない」


 気絶?私……誘拐されたの?


「本当にすまない、俺も正直こんなことはしたくないんだが、主からの命令で……」

「大丈夫ですから。それより、ここはどこですか?」

「それは……すまない、俺の口からは教えられないんだ」


 まあ、そりゃそうか。


「さて、これからお前を主の元へと連れていく。……ついてきてくれ」

「わかりました」


 ここはとりあえず、この人に従っておこう。あとの対応は、向こうの出方次第で決めればいい。

 まあいいか。


「ついたぞ」


 そう言われた直後、通路の突き当たりにある一際大きなドアが開かれる。

 その部屋には、いかにもな感じの玉座と……それに座る主と思わしき人物がいた。


「主様、ただいま戻りました」

「ふむ、よくやった。報酬は今夜支払おう。下がって良いぞ」

「はっ。それでは、失礼致します」


 私をここまで連れてきた人はいなくなってしまった。

 2人きりか……


「お前がアヤセ・レイドルクか」

「はい。ここの主人とお見受けいたします。私がアヤセ・レイドルクです」


 跪いて首を垂れる。これも私が城にいた時に学んだ礼儀作法だ。


「はは、そう畏まらなくて良い。そうだな、場所を変えよう。」


 そういうと、ここの主人が玉座を立つ。

 私が瞬きをした瞬間、私と主人は全く別の場所にいた。魔法?でも、呪文が聞こえなかった。

 その部屋には机の横にソファが二つ、向かい合うように置いてある。


「ここは談話室だ。好きに腰かけてくれ」


 そう言って腰かけた主人の向かい側に、私も座る。

 ソファはふかふかで、ここで寝れてしまいそうだ。


「さて……突然連れてこられたから、聞きたいことが山ほどあるだろう。なんでも質問するといい」

「じゃあ、遠慮なく……ここはどこですか?」

「ここはイビルズシティの王城。サクレ王国のはるか西にある森の中……と言った方が伝わるだろうか」


 サクレ王国のはるか西?

 それって、まさか魔神ベリアルの領地じゃ……?


「あなたは、魔神……ベリアル?」

「いや、違う。私はツクネ。ツクネ・カンダ。ベリアル神国の王にして、魔神ベリアル様の眷属だ」


 つくね?美味しそうな名前。

 って、違う違う。ということは、ここは魔神ベリアルの領地で間違いなさそうだ。


「それで、何か他に聞きたいことはあるか?」

「あなたの目的は何?」

「ああ、それなんだが……アヤセ。私と結婚し、ベリアル様の眷属となってくれないか?」


 ……え?今なんて?

第7話でした。対戦ありがとうございました。

アヤセ、人生の分岐点です。

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