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2度目の人生に希望の花束を  作者: 璃空 藍
第1章 転生と学園生活
6/8

第5話 謎は謎のまま

第5話です。対戦よろしくお願いします

私は執筆を普段iPadで行なっているのですが、最近Bluetoothのキーボードに乗り換えたんです。

タイピングにはもともと自信があったんですけど、やはりキーボードだと作業効率がぐんと高くなりましたね。楽しいです。

「魔王様、ただいま帰りました。……これ、ほどいてくれません?」

「よかろう。……その様子だと、見つかったようだな」


 魔王と呼ばれた人物が、女を縛っていた魔法を解く。


「さあ、聞かせてもらおうか……」


**


 サイカちゃんの案内のもと、私たちはクレープ専門のキッチンカーまでやってきた。


 私は抹茶大納言。

 リキは塩キャラメルホイップ。

 サイカちゃんはカスタードを頼んだ。


 ――異世界に抹茶大納言なんてあるわけないって?

 この世界には『エド』という名の、一昔前の日本っぽい都市があって、そこには食はもちろん、服やイベントなどなど、日本の文化がたくさんあるのだ。

 行ったことないけどね。


「私たちを襲撃してきた魔神ベリアルの手の者と思われる女性が、私たち3人のことを知っている……リキ、あの人について心当たりはある?」

「いや、まったくないよ」

「だよね、私も同じ」


 魔神ベリアルの手下が長いこと手を出してこなかったことも考えると……考えられる可能性は、サイカちゃんが私たちと同じ日本出身ということか……


「サイカちゃん、今から私が言うことは絶対他の人に言わないでね」

「……もちろんだよ」


 美味しそうにクレープをほおばっていたサイカちゃんが、手を止めて真剣な顔でこちらを見る。


「私とリキ……実は、前世の記憶があるの。前世では日本って国で過ごしてた」

「えっ」


 サイカちゃんの目が丸くなる。


「サイカちゃん、あなたの故郷はこの世界じゃなくて日本……違う?」

「……うん、私の出身地は日本だよ。……私はね、8歳の頃に突然この世界に転移しちゃって、言葉も通じなくて何が何だかわからなかったときに魔神バエルに助けてもらったの。バエルさんは姿を表さずに私の脳内に語りかけるだけだったけど、この世界の仕組みとか勉強とか、道徳心とか……いろいろ教えてくれた」


 魔神バエル、そんなことをしてたんだ。


「あの人はいつも優しく私に教えてくれてて、でも意外と面白くて……」


 サイカちゃんの顔がぽっ、と赤くなる。

 リキはずっとポカーンとした表情でサイカちゃんを見ている。


「まさかサイカちゃん、バエルのこと……」

「へっ!?いやそんなことはっ……ないけど……?」


 まさかぁ。今絶対それっぽい反応してたのに。


「まあいいや。あと……時宗力と時宗才華、これは2人の名前で間違いない?」

「うん、間違いないよ」

「……覚えてない。けど、最初サイカのフルネームを聞いた時に、なんか聞いたことあるような気がしたから間違いじゃないと思う」


 リキがずっと考え事してた理由はそれだったかあ。なるほど。


「じゃあ、二人の関係は?」

「覚えてない……」

「ごめん、わからないや。でも、私が生まれた時宗家は霊能家系でね、私は本家の生まれ。リキくんが分家の生まれである可能性は高いと思うよ」


 まあ、時宗なんて苗字はなかなか聞かないから、偶然同じ苗字ってことはないか……


「さっき襲ってきたみなお姉ちゃん……時宗実奈々(ときむねみなな)は分家の生まれだよ。私の従姉妹なの」

「その……みななさんは俺のことも知ってたんだよな。うーん……思い出せない。俺、前世の記憶があまり残ってなくてさ。知識の記憶は全部残ってるんだけどさ、出来事とかの記憶はほぼ残ってないんだよ。それもいい思い出ではないし……」

「みなお姉ちゃん、アヤセちゃんのことも知ってたよね?」


 そうだった。ちょっと忘れかけちゃってたな……


「うん。でも正直心当たりは0だよ。でも、私のことを『アヤちゃん』って呼ぶ人なんて――」


 ムネしかいなかった。

 ……そうだ、そういえばそうだっけ。他の人は私のことを『アヤセ』とか『アヤ』とか『アヤっち』とかいろんな呼び方で呼ぶけど、『アヤちゃん』はなんやかんやでムネしかいなかった。


「?」

「ううん、なんでもないよ」

「うーん……結局あやふやな感じだよな。全員実奈々さんと何かしらのつながりはありそうな感じだったけど」


 謎は謎のままか……

 かといって、実奈々のことといい魔神ベリアルのことといい、あやふやなままで終わらせられない話題が盛りだくさんだけれど……


「そうだ、サイカ。時宗家は霊能家系だって言ったよな。サイカは何か霊能力を使えたりするのか?俺が本当に分家の生まれなら、俺も霊能力を使えるのかな……」

「霊能力が扱えるって言っても、ほとんどの人は霊感が人より強い程度だよ。霊感が全くないって人はうちの家系にはほとんどいないけど、もしいたら『忌み子』って呼ばれて、母親と一緒に隔離されちゃうらしいの」

「そう、なのか……」


 リキが軽く動揺して少し落ち込んでしまう。

 どうしたんだろう?まさか何か思い当たることでも……


「大丈夫だよ!?リキくんならきっと何かしらの霊能力が扱えると思うよ!私はね、生き霊とか人間の魂とかが見えるの。……あ、魂といえば」

「何か思い出したの?」

「バエルさんにいろいろ教えてもらってた時、魔獣とかが出て危ないからって幽体離脱した日本人の魂を護衛につけてもらったの。その人もある人に会うために、バエルさんにいろいろ教えてもらってるとかで……」


 ある人?誰だろう、なんか知ってる人の予感がぷんぷんする……


「話すと長くなるから、この話の続きはまた今度ね!クレープ美味しかったぁ」

「そうだね、来てよかった」

「さて、そろそろ寮に戻って休むか?アヤセは疲れたって言ってたし」


 なんでそんなに前に言ったこと覚えてるの……

 まあ、確かにそろそろ戻らないと疲れでぶっ倒れそう。


「そうだね。じゃ、また明日」



 私は寮に戻ってすぐさま布団にダイブした。

 そして、今日一日で起こったことについて考えてみる。

 バアルと敵対する、魔神ベリアルの手下の襲撃。

 ベリアルの手下を率いていた実奈々さんと、私たち3人の関係。

 はあ、初日から非日常感マシマシだよ。

 とりあえず今日は寝てしまおう……

第5話でした。対戦ありがとうございました

ここから物語が加速……しません!

しばらく日常回にする予定なのですが、アイデアが全く思いつかない。

毛先からつま先まで、全身を使ってアイデアを振り絞ります……

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