カメラ
なにが書きたいのか分りませんでした。色でしょうか。はなしでしょうか。歩道を歩む支えでしょうか。
棚に紙髪の浮く。食器に並べている。ミルクスープが顔を出す。
「明日だね」
「そうだね、お昼だね」
中期文学にはいずれの言葉があります。忘れた。お前を国に戻すはずがお金が足りない。私の本棚にあります。
白茶を入れましょう。眼鏡はシューズボックスの上に。茶葉はその左に。お昼からは簿記学校で、汽車の辺のお米屋さんでお米を頂く。やがて線路は暮れ、揺られます。汝はそれを知っていて、お茶を飲んでいます。私は愛し合っている。その答えが、頬の毛に思われます。貴方が咲う。髪の毛が行行。
月が綺麗だね、おはよう。カーテンが揺れる。玻璃に移り、貴方の足許に本が崩れる。いえ、日誌と言いましょうか。私は観たことがありません。私の日記は、観たい? 襟台に白ずみ、習い事があるのに。朱いよ。
だいすきだよ。身もだよ。ある栞を挟んだ一冊が見当たらないの。ホットコースターの下は? あったね。散歩って足を動かすみたい。歩くのとは違う。汝の袖ぐりのよう。汗を掻いてもつるつるしていて、生花のように日を帯びる。お食事をしたら、笑う。
書斎に紙が文字打つ。斎ではなく、リビングです。強かに瞳は紫気、背は五つ、口遊む声は名を含み、副鼻腔に筆紙。棚に紙髪の浮く。その笑顔に、ミルクスープは顔を出す。頂きます。頂きます。お昼だね。午後だね。ある映画知ってる? 現代の? そう。眠たくはない? そう、眠たくなったね。お湯を沸かそうか。おやすみ。
なにが描かれているのか分かりません。
ただ、只が書かれていると思われます。
後書きは、だれが書くものでしょうか。