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隠れチートスキル【発掘者】で蘇生無双  作者: 小説を書く恐竜
1/1

蘇生【リバイバル】

見てくれてありがとうございます。

「待って下さいよ〜」

「テラ、あまり離れないで」


 はじまりの街トアタス近隣にあるダンジョン【ジュラ】。ここでは今も金銀財宝、伝説の装備、古代文献、古代モンスターの化石などが度々発見される。その為対魔族最前線付近のダンジョン程ではないにしろ多くのギルド、パーティが今もなお探索を行っている。ここはその内部浅瀬地下50階だ。


 僕は駆け出しテイマーのテラ。ブラウンの髪、童顔と碧眼は亡くなった両親譲りだ。相棒はウサギ型モンスターのクルッピーだ。愛くるしいからクルッピー。ッピーはどこから来たか分からない、多分カワイイからだろう。


 僕が所属しているのはベテランパーティ【深海の流星群】、お荷物状態でどのパーティからも追加された僕を拾ってくれた恩があるパーティだ。


「重いの?やはり小さい体じゃ酷なのでは?野営テントぐらいは私が持つ。テラは周りより荷物を欲張って持とうとするから悪循環で他の奴らに獲物を取られてスキルポイントが貯まらないんだ!」


 この人はシノ、剣士だ。いつも怒っているように見えるが実は親切でお節介好きなお姉さんみたいな人だ。


「はっはー!シノ、ちと言い過ぎだぞ!親切心で言っているのは分かるがテラがやると言った事だ!漢が決めた事は好きにさせてやるが1番!それにワシも同じぐらい重い荷物背負ってるしな!」


「レックスさんはいいのよ、身体でかいんだし」


「それもそうだな!」


 この人はリーダーのレックスさんだ。タンク役を買って出ている男前な兄貴って感じな人でとても頼り甲斐がある。家に1人、娘さんが待ってるらしい。


「ありがとうございます、でも近接タイプのシノさんには大きな荷物は戦闘の邪魔になるだろうし、僕はテイマーですから荷物を持ってても大丈夫です。少しでもパーティの最善の選択に協力したいんです。それになによりレックスさんの言う通り僕が決めた事ですから!」


「むぅ、そうか。ならいいが。だがそういう性格は悪どい連中にはこき使われてどんどんエスカレートしていくぞ。」


「お前ら、油断してると足元を掬われるぞ。もうすぐ中層だ、皆んなここからは注意しろよ。いくぞ」


 彼はセイヴァーさん、切れ物でよくパーティのピンチをなんとかする凄い人だ。役割は基本弓や魔法の遠距離攻撃は勿論、元々剣士なので近接も得意とする万能型でもある。クールだが実は幼馴染のシノさんを追いかけてパーティに入っていたりもしかしたら凄い熱い人なのかもしれない。


「そうですねぇ…でもぉ、やっぱりー、リラックスもぉ、大事ですよー、セイヴァーさん?」


 彼女はフラムさん。いつもおっとりしてるが白魔術師で回復役としてパーティを支えている欠かせない存在だ。


「まぁ…いざというときは俺が死ぬ気でなんとかする…皆んなの回復頼んだぞ」


「はぁい、了解ですぅ」


 鑑定紙を開く。これはギルドが開発した魔法がこもった紙で自身の血を流すとステータス、スキルツリーが表示される。


 さらに自身が通った道を自動で登録してくれたりもされて凄い発明だ。ただ、ジュラのダンジョンは広すぎる為それでも一階毎に降りる苦労は変わらない。


 次は中層、初心者には難所だ。ジュラは浅瀬、中層、深海と50階毎に分けられている。中でも深海という場所はほぼ未踏で、ここ十数年でやっと中層20階を探索していた探索者が古代に誰かが地下100階以降を潜った形跡を見つけたのだと言われる。本人達は道半ばで息絶えてしまったが当時としてはその中層20階でさえ最前線と思われていたほど危険度も高く出会うモンスターも魔王幹部並みだったらしい。

 

 それも今となっては運がいいか悪いか魔族との戦争でS級冒険者達は駆り出され僕らのようなトアタスのC級冒険者はありがたく探索で秘宝を収集する仕事をしている。ただ貴重すぎると戦時用に没収されるのが痛い。




「クルッピー!アイスニードル!」バッ

「クルポコ!」キュウロロ

「セイッ」ザシュアン

「フンッ」ヂャカボゴォ

「ファイアストーム!」ボウフラ

「回復しまぁす♡」フィンフィンフィン


「…どうやら中層もいけそうみたいね。もう20階に到達したわ!」


「落ち着け、シノ、鑑定紙のマップで安全な先人の通路を通っているだけで。たいした事はしていないしまだ15階だ」「そういうアンタは戦闘中私を意識しすぎで矢が外れすぎでしょ、アンタが落ち着け」


「うふふ、お二人さん熱ーいですわ」


「若いな!」


「微笑まし〜です」


「まぁな「違う!」」「セイ!アンタはもう///〜!」


「ん?!おう!見ろ!皆んな!なんだ?アイツは!」


 レックスさんが言うと皆そちらの方を向く。そこには見た事もないモンスターがいた。頭とみられる部分には顔がなく白い体表に細い長身の体と2本の黒角が生えている。


「中層にあんなモンスターがいるなんて見たことも聞いたこともないですねぇ〜」


「…」


「どうしたんだ?セイヴァー」


「…!お前ら、急いで逃げるぞ」


「ど、どうしたんですか?セイヴァーさん」


「奴は、悪mっ」


パンッ


その刹那セイヴァーさんが吹っ飛んだ。


一撃のように見えた。否、セイヴァーさんの腹に三箇所の穴が空き、片腕、片脚が吹っ飛んでいた。


「逃ゲロ、グブハっ…アクマだ…」


 悪魔、聞いた事がある。魔族や人族のような人間ともまた違い地の底にいるとされる生物。数百年前、当時人界側であった勇者と魔王が協力し人界、天界、魔界の入口を永久的に断絶したと聞いたが…


「貴様っ!よくもセイを!!」

「待て!シノ!」

「シノさん!」

「戦ってはダメー!」

「くそっ!仕方ねぇ!」

「レックスさんまで!?」


ブボパンッ



「……っ!!グハッ」


 超音速の打撃音。どれくらい時間が経っていたのか数十分か、はたまた数秒か、気がつくと僕の体には穴が空いていた。口と穴から出る大量の血を止められない。


一瞬だった、目の前にはクルッピーを含め皆血を流し伏せていた。


 シノさんは即死。


 少し足掻いたのかレックスさんはその巨大な体は元の原型を留めていなかった。


 フラムさんだけはまだ息のある僕とセイヴァーさんを回復魔法で延命させようとしている。だがダメだ。一度だけ使える覚醒魔法でさえ致命傷の傷を治せる程度だ、そこで終わり。そして術者は魔法を一生使えなくなるか死ぬ。それでも身体中に空いた大穴を全て再生できるわけじゃない。


「…」


 セイヴァーさんの呼吸音が止まった。既に舌を噛み切っていた。

彼を見てフラムさんは唇を噛み締め目は虚になっていた。


 ああもうダメだ。フラムさん自体も脚一つと腹に穴を開けられているもう、ここまでだ。

「…っ」

しかしフラムさんは諦めていなかった。セイヴァーさんの意を汲むかのように最後の力を出して覚醒魔法を僕に使った。

「テラさん、生きてください」ニコッ

彼女の最後の言葉だった。しかしおそらくそれを果たせない事は彼女も察していただろう。セイヴァーさんもフラムさんも1番致命傷を避けている僕が生き残る可能性があると信じ命を絶ち回復魔法を使ったのだろう。だが奴を倒せない時点で皆等しく無意味なんだ。彼女の意地かもしれない。自分が出来ることは最大限果たして死ぬ。彼女の信念を裏切らないように今は塞がった穴から出たであろう自分の血に塗れた鑑定紙を開く。涙が溢れ出して止まらないがそれでも目を拭いながらヤツを刺激しないよう息を潜めスキルツリーを開く。


現在公開可能な派生情報 所持ポイント…501ポイント

テイマースキル【虫師】…未修得100ポイント

テイマースキル【鳥使い】…未修得100ポイント

テイマースキル【獣使い】…修得済み

•テイマースキル【猛獣使い】…未修得500ポイント

•テイマースキル【猛禽使い】…未修得500ポイント

•テイマースキル【連ねる者】…不可

※条件一体以上モンスター所持

•テイマースキル【進化させる者】…不可

※条件一体以上モンスター所持

New…


 流石にこれは堪えた。相棒が死んだ事を文字で確認させられた。


思考をやめてはいけない。中層に潜っていたおかげでポイントはある程度貯まっていたようだ。だが使えそうな物は何も無い。いや何かあるはずだ。考えろ。ふと下にあるNewの文字を見つけ押してみる。


New•隠れテイマースキル【ネクロマンサー】…未修得500ポイント 条件5体以上の死体を目撃


 流石にこれは、この条件は笑えないジョークだ。号泣していた僕の涙を止めるぐらいには怒りを芽生えさせた。

…しかしこれなら皆んなを間接的に生き返らせる事が可能なのでは?いや、それをした所でやはりあいつには勝てない。何よりも死者を弄ぶだけだ。それに術者本人の俺が殺されて術は解かれやはり皆んなは死ぬのだ。皆んなの蘇生を考えた場合、奴の撃退、これがまず絶対条件なのだ。だがまだ諦めてはいけない。考えろ。この命次に繋ぐんだ。何か…何かないのか!




New•隠れテイマースキル【発掘者】…未修得500ポイント

 条件5体以上の化石を目撃




 何だこれは?化石? 

 

 まさか遺体を化石と認定しているのか?なぜ?仲間の遺体は土の中に埋没などしていない。化石というのは本来地層に埋められている筈じゃないのか。


…まさかダンジョンの中層内、地下だからか?確かに地上から見れば地中ではある。


 そんな事はどうでもいい今は使えるか使えないかだ。

奴はこちらを向いて歩き始めている。急げ!詳細を見る


詳細隠れテイマースキル【発掘者】

派生スキル カセキリバイバー※詳細 の初期スキル。化石を見つければ見つけるほどスキルポイントがすぐに貯まるぞ!更に化石を掘り当てやすくなったり掘る土が柔らかくなるぞ!


 何だこれは…土を柔らかくするってしょぼすぎじゃないか?ダメそうな感じしかしない。諦めようか…。いやまだだ!カセキリバイバーという一縷の望みに賭ける!詳細を見る!



詳細カセキリバイバー

派生スキル ディノエンペラー※詳細 の初期スキル。無条件で恐竜を際限なく完全に当時の生きた姿のまま同じ姿形に生き返らせる事が出来るぞ!男の子の夢が叶うね!(また、この条件は恐竜以外の生物にも適用可能です。)




 また、この条件は恐竜以外の生物にも適用可能です!?!?!?!!?


 ぶっ壊れスキルじゃないか!


皆んなも傀儡という形ではなくそのまま生き返らせる事が出来るし、もしかしたらここに眠ってる化石になった強力なモンスターがいれば生き返らせて戦わせる事が出来るかもしれない。


勝てるかどうかそんなの完全に運に決まってる。でもやるしかない!




500ポイントを払い発掘者を修得しました。

所持ポイント 1ポイント


おめでとうございます。化石を既に1050体確認しています。合計52500ポイント獲得しました。

所持ポイント 52501ポイント




何かよく分からない事になってるがいける!今だけは運が味方してくれている!そんな気がする!一気にカセキリバイバーだ!


隠れテイマースキル【発掘者】…修得済み

New•隠れテイマースキル【スカルリバイバー】…未修得1000ポイント

New••隠れテイマースキル【スカル使い】…未修得5000ポイント

New•••隠れテイマースキル【マスタースカル使い】…未修得10000ポイント

New••••カセキリバイバー 不可 条件マスタースカル使い修得済み


ん?!う!?うう、うおおおおおおなんでもいいから全部獲得しろおおおおおおおおお!!!!



おめでとうございます。現在獲得出来るスキルを全て獲得しました。

周辺にある化石を全て復元しますか?はい

成功しました。




その瞬間僕の目の前の死んだはずの仲間達が動き始めた


「み、皆んな!(泣)」


 そう思ったと同時に悪魔は仲間を貫いていた。


 否、貫いていなかった。欠損したはずの皆んなの手や足には骨のみが伸びて再生していた。骨は黒く変色し以前とは違うようだ。

 身のこなしも、強さも何もかも違う。獲得したテイマースキルで生前よりも強化されているのかもしれない。

 

 そしてその骨で悪魔の手を掴んでいた。少しかがみ、腕を少し上げたなぜか恐竜立ちで。


 そして周りの仲間だけでなく、このフロア中の土からわずかに覗いた竜骨達が次々と息を吹き返すように砂を落とし地層から蘇る。


 人骨も何もかもが。


 恐竜立ちで。


「今はなんでもいい!行け!ほねほね○ウルス達!!」

修正箇所、感想などがあれば書いてくださると大喜びして返信させて頂きます!

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