第九十話「大会出場決定!」
頭上を浮遊。
ユラユラとローブを揺らしながら何か冷たく感じる感覚。
死の世界からやってきた死神の周囲は凍るほどの冷気が漂う。
ミナの吐息もいつの間にか白く濁っている。
最近発見したことなのだが、そもそもこの死神たちは何なのか!?
どうやら俺が召喚した死神のようで、忠実に意見を聞いてくれるモンスターだった。
若い頃にとっ捕まえて得たモンスターなのかどうなのか分からないが、とにかく俺の言うことを忠実に聞く舎弟のような存在だった。
記憶には無いが昔何かあったのであろう。
実際に交わった訳では無いがこいつらだけでもかなりの戦闘力を保有しているように感じ取れる。
何よりゴーストということもあり
物理攻撃が効かないというメリットがあり、対剣士相手では適う相手では無いと思える。
残念ながら、魔法使い相手では分が悪いように思える。
と、ミナが怯えて震えが止まらなくなるのも困るので一旦元に戻そう。
別空間魔法をパッと解くと死神たちも姿を消した。
青い塔の内部に空間を戻すとミナの震えは自然と静止し始めた。
ため息をついて、心を落ち着かせるミナだった。
何事も無かったように言葉を発した。
「はい。あなた推薦」
「へ……」
「スカウトコロシアムに出場してほしい」
×××
一旦、石版の紹介の前にスカウトコロシアムという概念の説明から入った。
スカウトコロシアムについてミナから聞いた。
全500ページに及ぶルールブックについて説明後、あまりのルールの多様に重点的な部分のみ説明を求めた。
とりあえず、異様だった。
彼女がルールブックを読みながらどこか楽しそうに話す雰囲気。
俺の名を大会出場が決定的な言い方でコロシアムの説明。
つまり、既に出場が確定しているような言い方だった。
「アーサーは推薦枠だから特別なの」
「ハンデとかは無いけど、とにかく前回王者の私が言ってる事だから話はホント。裏も表もない戦い。つまり、勝ち進めれば優勝」
いやいや、俺はまだ出るという一言すら言っていないのにこの勧められように引いた。
「大会の日時はさっき言った日時ね!」
「剣も魔法も使えるから全然余裕だね」
「アーサーなら簡単に優勝かも 笑」
要するにものすごーく簡単に説明すると、大会出場者にとって大会出場すること自体名誉なことであるという。
それはなぜなのか、地位、名声、財政が得られるという。
大会優勝者はともかく、大会で目まぐるしい成績を見せることで得られるという。
仕組みは神強五大序列という人物達が観戦しているようで、ここ各々のギルド組織にスカウトされるとそのギルドに入団できる。
そもそも、大規模のギルドに入団するだけでかなりの財政が発生しているため、そのためだ。
地位も言わずともあり、名声も実力者が揃っているため入団するかが鍵となっている。
いわば、そいつらのためのテスト大会というものだ。
他にも、貴族改めて、神強五大序列以外のギルド組織も観戦しているため、ギルド側からすれば自身の組織により良くかつ強いルーキーが入団することにより名も上がるため、大会出場者、ギルド組織共々メリットしかない。
じゃあ、なぜこういう大会を開くのか、大都市センティアによる人種が異なり、文化も違う種族の交流と反映と、間を持つ中でより良い世界を作るための交流の場として設けられているという。
各ギルド組織を大きくすることで、少なからずとも言えるが反組織の存在を根絶させるため、今後起こるかもしれない一大事件の解決策として、センティア側を含めて大陸事の協力が背景に存在していると思われる。
果たして、いい事ばかり、御託を並べているように感じるが、果たして裏があるのかないのか、その真相はわからない。
ミナは前回王者らしく、その結果、名だたる組織からスカウトを受けたらしいのだが、全て断っているという。
理由は気分と言い放った。




