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第六十七話「終い」


 奇声。

 瞬く間に轟く甲高い音。 

 「ギギィ―ーーギリギリィーーキキィーーーー」

 

 ガバリオンと刀剣の表情は変わることは無いが

 怯えていることが感じ取れる。

 なぜか、次なる一手に対して死の恐怖があるということ?

 いや、そんなことは元より人格や感情のない二人にとってそれは無い。

 なら何なのだ?

 それは、恐ろしいほどの自信を取り巻く周囲全ての浄化していく力。

 無幻樹。

 杖の存在だ。

 素材は無幻樹だ。

 生命力という力。

 それとはかけ離れた刀剣とガバリオンにとって恐怖そのもののように感じた。

 一概にそれがとは言えないが、明らかな異常な奇声の発し方に自身の未来を見たのかもしれない。


 まさか、生命力というものが力の源になるとは思っていなかった。

 杖という持ち運び便利でこれほどまでに卓越され、凝縮された力が感じ取れるのだろう。

 元より、後ろに聳え立つ無幻樹からその力は感じ取れないのか?

 反応から見てそうなのだろう。

 杖になったことで本当の恐ろしさというものが伝わるということなのだろうか!?

 とりあえず感謝だ。


 俺はすこぶる顔色が悪い。

 吐血しながら背に構える無幻樹を一瞥後、刻一刻と遠い宇宙から迫り来る攻撃を待ちに待った。


 雲行きが怪しい。

 天気の悪いこの中、すぐに雲がかかって天気を悪くする。

 それもあと少しだ。


 頭上を見上げたが灰色の雲一色のところ光の筋が所々照らしてくる。

 まるでそこから天使が舞い降りてくるような幻想的な雰囲気とでも言おう。

 その光の筋はすぐに強い一辺倒の光となり雲をおしのけて、一気にその部分だけ空が晴れて青空が一面に姿を現した。

 巨大な炎をまとった隕石が俺らに向けて導かれていた。

 姿を現した。

 先程の倍はあるか?

 これをくらって生きているやつは果たして……

 もうなんか、生きてるのって辛いよなー……


 ガバリオンと刀剣は激しく俺から剣を引っ張って抜こうとしている。

 これをくらったら流石にって感じで焦る姿を俺はいま見ている。


 吐血―


 そんなに抜きたいのなら抜かせてやるよ。

 生きたいのか?

 俺は肩の筋肉を正常に戻した。

 その途端、刀剣はスルッと抜けて、その勢いでガバリオンは尻もちを着いて、刀剣の指示の元、俺から力ある限り全力で逃げて逃げて走る。


 俺は再び吐血。

 血を流しすぎだ。


 だが、その全力の走りも正直遅い。

 50メートルを12秒で走っているところだ。


 もう俺の体は限界を迎えていた。

 力が入らず、MPも底をついている。


 最後の魔法が仮にやつを仕留めらなかった場合、俺の敗北としよう。


 俺は膝からガクッと地面に落とし、うつ伏せに倒れた。


 俺から距離をとった刀剣とガバリオンの距離およそ200メートル。


 隕石はというと、実は追跡型だ。

 いくら逃げようと、標的に命中するまで追い続ける。

 終いだ。


 刀剣とガバリオンは背後を確認する、もう目前まで迫っていた。

 動きを止めて隕石を確認。

 燃える灼熱で高温の隕石は近づくにつれて周囲の森林を焼き払い、ガバリオンに取り巻く氷も瞬時に解凍。

 そして、ガバリオンは正気を取り戻したように発した。

 熱が意識を取り戻してくれたようだ。


 刀剣を前に構えて


「ハッハッハッハッハー。目覚めていきなりの窮地。これも一興。これもあれも、俺がお前を選んだ末の道。」

「楽しもうぜ最後の瞬間をー!!」


 焼ける肌、滅びる刀剣。

 高音で息が思うようにできない状況下において、ガバリオンは最後の時を隕石に全力で走って迎え撃った。


 爆音。

 爆風。

 熱発。

 地震。

 地割れ。

 爆煙。

 

 どれもこれも俺の周囲を襲った。

 地形が変わるほどの攻撃は震源地から1キロに及んでダメージを与えた。



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