第五十五話「連隊破壊」
俺は至って冷静だ。
この場面を打開する方法として、やはりここにいる全ての敵をなぎ倒すこと。
数分前から俺は準備を進めていた。
俺の分身のビジョンを周囲の森に配置させた。
兵士の集まる場所を中心に。
全部で八方位。
東、西、南、北、北東、南東、北西、南西。
取り囲むことにより逃げ場を無くす。
そんな単純なことだ。
東側に位置する俺のビションが、ガバリオンに向けて一発の銃弾が打ち込まれた。
Accuracy International AS50
(高火力スナイパーライフル)
位置するビジョンには別の銃を持たせている。
東西南北には
SR(Accuracy International AS50)
北東、南東、北西、南西には
AR(AK-47)自動小銃
交互に配置されたSRとARを配置したのには理由がある。
SRに関しては、確実性と殺傷能力が高い。
そのため、一撃という場面で必要になる。
基本的に頭部へ銃弾を打ち込むというのが理想的。
確実に葬ることが出来るからだが、たとえ、頭部への一撃を外したところで、殺傷能力がARに比べ強力な為、体のどこかへ当たれば悶えることも出来ず、致命傷になると考えたからだ。
逆にARは殺傷能力はSR程ではないが連射ができるというメリットがある。
たとえ、頭部へ当たることがなくても、体のどこかへ何度も銃弾を加えることができるからだ。
さらに、SRと違い、エイムも難しくなく、近距離にも対応できる。
片方に偏ると何かと不利益が出てくる。
例えば、西と東にSRとARを分けたとする。
その場合、敵がSRに数で詰め寄られた場合、単発撃ちのSRにとって対処が出来ないからだ。
交互にすることで、補える。
それが主な理由だ。
今考えられる攻撃手段として俺はこれを選択。
ガバリオンへ被弾させることを合図に、一斉射撃を開始させた。
マズルフラッシュが一斉に輝いた。
松明という少ない明かりのみの闇の森の中、閃光が散った。
「ダダダダダダ」
激しい音。
耳を塞ぎたくなる音。
森にこだまする銃声で、夜行性の魔物や眠っていた鳥たちを目覚めさせているのがわかった。
奇襲攻撃で兵士の連隊は一気に崩れた。
突如と隣にいる仲間の兵が被弾し倒れていく様を見届けて、ガードの体勢に入ると言うよりは、逃げ惑っているようだった。
兵士が焦っていたのが窺えた。
指揮を取っていた隊長が殺されたことへの不安もあるのだろう。
いきなり、ガバリオンという独裁勢力へ蹂躙。
守備の連隊を組まず、兵士は四方八方に逃げ惑った。
俺はそれを逃がさなかった。
逃げる素振りを見せるものをすぐさまに蜂の巣に。
弾薬が切れるとすぐにリロードし、すぐさま兵士を撃ち続けた。
さらに、本体の俺は少し離れた木の上から動かず拝見。
さすがの数に、時間がかかりすぎると思った。
樹木林で分身を援護。
森に囲まれた周囲は全て俺の手中に収めている。
樹木たちは次々に巻き潰すしていく。
それを見ていた、一人の兵士。
副隊長だろうか。
このままでは全滅と思ったのだろう。
急遽、指揮を取り始めた。
大声を上げて、兵士に守備隊形を組むように指示した。
時は既に遅し、半数の兵士は地面に横たわっていた。
その時間わずか3分。
残った兵士で中央へ集まり360度、盾で銃弾を防ぎ始めた。
二十人規模の連隊が残り三つ。
残りの兵はおよそ六十人まで減っていると窺えた。
俺は残りの兵へARを打ち続けることを指示した。
盾で防がれていることもあり、中々叩けない。
ならば、一旦ARの銃撃を静止。
無音が十秒続いた――
兵士たちは弾切れとでも思ったのだろう。
安堵の表情を少し見せていた。
それは束の間だ。
盾と盾の間から見える兵士の頭部に向け、レクティルの中心のドットを合わせて射撃。
盾で守っていた兵士が死亡。
盾が剥がれて、その剥がれて剥き出しとなった兵士たちの体へARを連射で打ち込んで、連隊を破壊。
残り連隊二隊。
ガバリオンはというと、いつの間にか姿を消していた。




