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第四十一話「俺はいま、女の部屋にいる」


俺はいま、女性の部屋にいる。


ガバリオンに正体を見破られることなく、事なきを得た。

結果的にモナには見つかってしまったが、まあそれは全く問題ない。

ある意味、味方と思っているし、作戦にも協力的だ。

問題があるとすればやはり廊下での一件だ。


モナはどうやら処女のようだ。

あの発言、あの表情、処女特有の仕草だ。

別にいいではないか。

処女って需要あると思うし俺は大好きだよ。


それなのにモナはなんで布団に包まっているんだ?


モナは布団に包まって枕に顔を埋めている。

それだけではなく、枕に向かって奇声を発しているのだ。

果たして何を言っているのか分からないが、とりあえず声のデカさだけは半端ではない。

枕で音を遮断している分、弱まってはいるが、枕がなくなったらどんなに近所迷惑なことか。


モナの意向から一旦彼女の部屋へ避難することになり、作戦会議をしようとしていたのだが、このありさま。


モナを確認しても一向にベッドから出ようとしない。

それほど恥ずかしかったのだろうか?

でも、俺の方が恥ずかしいと思うのだけど。

だって、本人がいる前で好きとか言っちゃったし……


あっそうか、俺が好きとか言っちゃっから逆に意識しすぎて、恥ずかしがってるってことなのか。


つまりそれって……

脈アリ!


いやいや、それはないって

だって老害よ。

年齢差なんぼよ。

40歳くらい?


たとえモナが年上好きと言っても限度というものが……


このままでは埒が明かないので一言声をかけてみることにした。


「あの……モナさん」


モナはビクッと体が反応した。

どうやら俺の声は聞こえているようだ。

話を進めよう。


「さっきの廊下での発言は本当のことだ」


モナはまたビクッと体を反応させた。

聞き耳を立てているようだ。


「本当に思っていることだよ」

「俺はモナが好きなんだ。だからもっと色んなことを話せたらなって……お話できたらなって」

「モナもそう思っているんだろう?」


もちろん恋愛感情ではない。

モナのためでもある。

まだ若い。

こんな老害に邪魔はされない方が良い。

今の距離感が一番良いと思う。

ただモナのことは村の人達と同じように大好きになっているのは事実。

それは伝えよう。


数秒たってもモナから返ってくる言葉はなかったため、改めてモナを一瞥した。


モナは顔の半分を枕に埋めて、もう半分はこちらを窺っていた。

表情は頬が少し赤くなっていた。

俺に目線をずっと合わせようとはせず。

何かを言いたそうだった。


「わたしも……わたしもまだはっきり言って心の準備が出来てないけど……多分……好き」


モナは言ってしまったと、顔を再び枕に埋めた。


これって……

さすがの鈍感な俺でもわかる。

いや、その前に誰でもわかることだ。


俺は今の今まで軽い気持ちで接していたがようやくわかった気がした。

モナは俺のことが恋愛感情的に好きなような気がする。

確かに俺も好きだ。

でもそれは恋愛感情などではなく、村人を好きという感覚。

可愛くて、スタイルが良くて、ツンデレだけど好きな人のためなら何でもしてくれそうな感じの女の子。


モナが俺のことを好きと言ってくれている。

もしここで俺も恋愛感情的に好きと言ってしまったら、本当にお付き合いということになっていくだろう。

本当にそれでいいのだろうか?


でも、ここまで来て彼女の答えにNOとは言えない俺もいる。


恋ってさぁ 難しいよな。


「あの……」


枕に顔を埋めたモナが俺の言葉を遮って発した。


「もちろん分かっているわ」


「?」


モナの印象がいきなり変わったように感じ取れた。

状況の変化をこの身で感じ取れた。


今度は顔の鼻から下までを枕に埋めて発した。


「うれしかった。好きって言ってもらえて」

「そういう経験今までないから」


いきなり変わった言葉の変化に俺はハテナが脳裏に焼き付いた。


「どういう感情で、どういう意図があって私のことを好きと言ったのかは関係ない。そこに愛があるどうかだと思ってるのわたし」


俺は真剣にモナの話を聞いた。

恋愛経験のない俺には恋愛のお勉強のように聞こえる。

モナ先生だ。

俺の目の前にいるのはモナ先生だ。


「あんたが本当の意味で私に対して好きと言ってくれていないことはわかってる。でもその言葉には確実に愛があった」

「わたしの心がそう感じ取ったから……」


どうやらモナは気づいていたらしい。

俺が本当の恋愛感情として、モナのことを好きと言った訳では無いことを。

非常に難しいところではあるが、仲間として、女性として、俺は好きだということを。

ただ今後、モナともし二人の時間というものがあるとすれば、年齢など関係なく本当の恋愛感情として恋が産まれてくるのかもしれない。


「年齢差……気にならない?」


俺は質問に質問を重ねる。

焦らすように問いかけた。


「そんなの問題じゃない。人を好きになるってそんな簡単なことじゃない。もちろん年齢なんかも当然関係ない」


いつからだろうか?

全く分からない。

ガチのガチで俺の事を好いているみたいだ。


顔を真っ赤にしてモゾモゾとしている姿。

どうやら発情期のようだ。


「だから、今すぐじゃなくて、これからゆっくりでいいから、私を見ていて欲しい」


モナはベッドに正座して言った。


「私はあなたを好きになったみたいに、今度はあなたが私を好きになる番。でも今は私のことをそんな風には思っていない、だったらわたしのこれからの人生一生をかけてあなたへ思いをぶつけてみせます。あなたを私の物にしてみせる」


こんなところで愛の告白というのは少し驚いた。

敵の巣窟という意外な場所。


正直に言おう。

かなり心にキュンと来た。

目の前にいる彼女と昨日までの彼女とでは今では見方が変わった。


この子に対して本当に恋愛感情を抱いていいのか悩んでいた俺がバカバカしい。

愛に年齢は関係ないのだよ。


真剣に考えていこうと思う。

そして、これから俺の二度目の人生で初めて恋愛というものが体験出来そうだ。


そして俺のハーレムがここから始まったような気がした。


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