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第三十五話「七色ラビット、朝からヘビー」


 夜が明けた。

 朝日が差して一日の始まりを告げたようだ。

 天気もやはり良い。

 この周辺は全くと言っていいほど雨に遭遇したことがほとんどないが。

 環境的に大丈夫なのか?

 そんなことを思わせる良い天気であった。


 子鳥のさえずりと共に俺は目を覚ました。


 俺たち二人は談笑を続けながらいつの間にか寝ていたようだ。

 見張り役と言っていた俺がバカバカしい。


 焚き火もすっかり燃え尽き、灰となっていた。

 辺りを見渡すと俺の身体にはなぜかモナにかけたはずの毛布がかけられていた。

 どうやら、モナが俺にかけてくれたようだが、肝心のモナはというと……


 昨日までいたはずだが、そこに姿はなかった。


 俺はモナがいたはずの場所をじーっと眺めているがもちろん現れたりすることも無い。

 一つ大きなため息。


 逃げたか?

 打ち解けたと思っていたのだが……

 少し寂しい。


 やはり、一発やっとけば良かったか。

 俺は逃げられた寂しさと体の関係の寂しさ。

 どちらも失ったことに寂寥。


 まあ、会ってばかりのこの状況で、無茶を言ったかもな、俺はもう一度大きなため息をついて毛布を畳んだ。


 すると……

 茂みからザザッと物音が聞こえた。


 俺は瞬時に体を向けて右手を構えた。


「誰だ!」


 朝っぱらからの戦闘はこたえる。

 ダルい。


 モナがぴょこんっと茂みから顔を出した。


「あら、もう起きたのね」


 いま、ちょっとかわいかった。

 俺はほっとした。


「どうしたのよ。そんなに構えて」


「あっいえ……」


 俺は右手をおさめた。


「おはようございます」


 モナが現れてくれたことにほっとした。

 そして、右手にも注目した。


 色は綺麗だが、物体の本来の色と合ってない気持ち悪さ。

 耳がとても長く、後ろ足が跳躍を見せるために発達したと思われる。

 うさぎか?

 俺は問うた。


「それは?」


「七色ラビット」


「七色ラビット?」


 見たところ、体調は1メートルほど。

 異常にデカい。



【七色ラビット】

 肉は柔らかく、ステーキや煮込み料理に適したうさぎ肉

 豊かな自然を保有しているエレスティンではポピュラーな食べ物だ。

 七色に輝く毛並みの理由は、大昔、エレスティンでは食糧不足に陥った過去があり、様々な動物を遺伝子操作で交配した。

 繰り返し繰り返し行ったことにより最終的に行き着き、定着したのが七色ラビットという。

 多様性があり、繁殖力も高く、食物連鎖の中でも下級、ターゲットとしても比較的簡単なため魔物や人によって乱獲されてもなお生き延びている。

 とても生命力の強いうさぎだ。


「知らない? ここらでは結構一般的な食肉用のうさぎよ」


 知らん。

 昔そんな奴いなかった。


「でも……色が……」


「そう! だから七色ラビット」


「えっと、それはどうするので……」


「うさぎ、朝食、食べる」

 モナは笑顔で答えた。


 俺にこの朝食はこたえる。

 だって、ヘビーすぎるもん。



 ヘビー過ぎる朝食を何とか平らげた俺たち。

 モナは完食したが、俺はこっそり吐いてしまった。

 気持ちの良い朝から吐くとは何と幸先の悪い朝だ。

 さすがに若い子は食欲旺盛だな。


 頂いた食材に感謝込めて俺は手を合した。


 モナはお腹いっぱいになったところでお腹を摩った。


 毎食こんなに食べているのかと想像した。

 なのに変わらず、完璧なボディー。

 日々の肉体強化によって消費カロリーが大きいため、必然的に食べる量も多いいなのだろうと俺は考えた。

 それなら納得がいくからである。


 または、その食材の栄養は体の一部に全て取り込まれているのかとも想像した。


 その暴食の栄養は豊満なお乳にいっているのだろうか。

 何をしようにもまずはおっぱいから考えてしまう。

 やはり俺は老害だ。


 モナのワンピースはいつの間にか修復されていた。

 破かれたワンピースは縫い合わされていた。

 簡易的な修復だが、とりあえずと言ったところ。


 食事も終わったところで、今後の作戦会議といこう。

 至ってシンプルだ。

 まず俺はモナに捕まったテイで国の兵士に連行される。

 その時点でモナ任務遂行ということでお暇してもらう。

 捕まったあと、俺は様々な手段を使い国を調査、情報を聞き出す。


 聞き出し内容によって、次に動く行動は考えるという至ってシンプルな作戦だ。


 お互いの利益の元に動くということだ



【モナの利益】

 モナにとってこの任務遂行というのが一番の利益に繋がる。

 そのため、任務を遂行してしまえばあとは国を抜けてまた旅に出発するという話だ。


【アーサーの利益】

 ひとまず国内部への潜入と情報の取得。



 目的が俺のはずであれば、俺一人でカタをつけることも可能というわけだ。

 最悪の場合、再びガバリオンとの戦闘もあり得るうえに、国との戦いも避けれない。


 昨日の夜、村では俺が戻らないことを危惧していることも考えて、メイの父親の鍛冶場で一緒に住むことになったフォーに手紙を届けてもらった。


 アナとフォーは人と動物として洞窟の一件以来、仲がとても良い。

 心配したアナがフォーにお願いをして、フォーに俺たちを追尾してもらっていたみたいだ。

 モナが眠りについたあと、フォーが突然現れて、俺はフォーに手紙を託したということだ。


 手紙の内容はあまり詳しくは書いてはいない。

 簡単にだ。


【手紙の内容】

 申し訳ありません。

 一週間ほど村を出ます。

 必ず戻ってきますので心配せずに待っていてください。


 村の人たちには迷惑をかけられない。

 俺が起こした事件とも言ってもいい、全て俺が一人でカタをつける。


【ジャスミン(作者) 身近なニュース報告欄】♯19

ただ無双する主人公っていうのが今の主流?だと思う。

逆にそれって描き方一辺倒で描くの難しい。

いかに主人公の弱さを見せつつバランスを保てるかが肝になってくるのでは?


第35話です。

宜しくお願い致します。

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