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第三十三話「一日を通して次への発展」(1/2)


 一瞬の出来事で何が起こったのか。

 正確な情報処理をするには俺でも時間がかかりそうだ。


 残酷な死に方をした黒尽くめ。

 むしろリーダーの方が残酷であろう。

 仲間の命を引き換えに自分の命を優先した張本人。


 肉片が引きちぎられる音と引きちぎられた肉片が地面に落ちる音。

 あとは、森林が風によってなびく音とせせらぎ。


 十一人分の血液が限りなく放出されたことを理由に、辺り一面血の海。

 リーダーやモナの体にもほぼ全身に血が付着していた。


 冷酷な惨劇音のみで肌身に感じた黒尽くめのリーダーは精神が壊れそうだ。

 仲間の肉片に振り向くことさえできず、自身の人生に悔やんでいるように見える。


 仲間の命を取るか、自分の命を取るか、もし危機的状況下において、そんな選択肢が生まれた場合どちらを取るのか。

 もしかしたら仲間を優先し、自分は死ぬというヒーロー気取りの選択肢を取るという考えの者もいるだろうがこいつは違った。


 精神が崩壊して数秒後。 

 リーダーは掴んでいたモナを離し、ナイフをボトッと地面へ落とした。


 圧倒的な力の差に手も足も出ないのであろう。


 これから仲間無しに一人で生きていくという地獄も持っている。

 一生償うことの出来ない仲間からの嫌悪が背中にドシッと背負いかかるであろう。


 その重さがのしかかってくるのか、リーダーは徐々に猫背に丸まっていく。

 そして、頭を地面に擦り付けた。


 口から体液を出しながら、涙を流しながらも、いずれも表情は無反応。

 感情のない涙を流し、仲間の死に対し、陳謝しているのだろうか。


 俺は黙って様子を伺っていた。


「……」


 俺はモナに歩み寄ると軽々と抱き抱え、川のほとりに静かに寝かせた。


 大量の血液が辺り一面に広がる中、気を失っているモナの下着にもかかり、ホワイト下着がワインレッド下着になり興奮を湧きあげる。


 もう一度、リーダーの方に視線を送る。

 変わるはずのない風景に嫌気を指した。


 仲間が無惨な死に方をして、まだ数分のところ。

 大量の血液のにおいが風によって森林奥地に行き届いてしまったようだ。

 茂みの奥から光る赤い目がおよそ十頭分確認できた。

 こちらを激しく睨んでいる。


 おそらく、お腹を好かせた肉食系の魔物が寄ってきたのだろう。

 ガルルルルっと、唸っていた。


 上空にも翼魔獣(よくまじゅう)

 つまり、飛ぶことの出来る肉食系の魔物がこちらを伺いながら空を旋回している。


 俺はめんどくさかった。

 精神機能が今後発達、進行することの無いであろう敵に対し、約束はしたが本当にこのまま生かしていた方が楽のなのだろうか?


 もしこのまま俺がこの場を後にした場合。

 どの道こいつは魔物に食い殺されるのではないだろうか?


 俺は念のため問いかけた。


「どうした?」


「……」


反応がない。


「動けないのか? 仲間の死を無駄にでもする気ですか?」


「……」


「私はそろそろお暇しようと思いますが、私がここを後にすれば後ろと上空にいる魔物に食い殺されますよ」


「……」


 リーダーは小声で何か言っていた。

 おそらく意味の無い言葉であろう。

 精神崩壊と共に訪れる自分への後悔を口にしているのかもしれない。


 魔物はとても頭が良い。

 群れでいる魔物ほど、俺との力の差に感づいている。


 俺がいる間は何も手出ししてこないだろう。

 でも、一体どうすれば?


 俺は腕を組んだ。

 茂みに隠れる魔物の群れと上空を確認した後、リーダーに目をやると。

 リーダーは言葉を発した。


「殺してくれ……」


 それは大声でもなく、小声でもなく、普通のトーンで。

 ただ若干の声の震えが感じ取れた。


 その言葉に俺も決心がついた。


「もし生まれ変わったら、次は良心の心を持ってやり直せ」

「懺悔しろ。そして死ね」


 俺は残りの一人、黒尽くめのリーダーを樹木でゆっくり巻き付けながら、握りつぶした。


 俺の心のどこかでは正直言うと、どの道殺すつもりだったんだ。

 言動によって少し迷ったが、結局は同じになった。

 冷酷非道? なんとでも言えばいい。

 命が耐える寸前、彼からは悲鳴一つ聞こえなかった。


 俺は一息つく。


 魔物たちは最後の一人の命が途絶えたということを確認すると、魔物の群れが茂みから姿を現した。


 俺の動きを警戒しながら、一匹の魔物が肉片の匂いを嗅いでいる。

 本当に食べれるものなのかと。

 自身の嗅覚を頼りに食べれるものと判断した一匹の魔物は肉片を一欠片ぱくり。


 肉の味を楽しみながら喉へ通すと、一つ吠えた。


 すると、仲間の魔物たちが一斉に肉片へよって捕食し始めた。


 上空からも地上の魔物が安全に食べているのを確認すると、急降下。

 肉片を捕食し始めた。


 さすがに惨すぎると判断した俺は、


「さすがに……」


 水系魔法で大量の水を「ザブーン」と発生させ洗い流した。


 その大量の水によって魔物たちは肉片の一部を加えて、茂みの奥へ姿を隠した。




【ジャスミン(作者) 身近なニュース報告欄】♯16

暑すぎて昼間にアイスコーヒーを大量に飲んでいる結果

カフェインの取りすぎなのでしょうか?

眠れない毎日です。


第33話(1/2)です。

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