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第三話「村の女の子、弟子になる」


 この村に降臨して三ヶ月ほどが経った―


 神と崇められ、衣食住をしっかりと与えられた。


 その代わりと言ってはなんだが村人の意向によりこの村の繁栄と開拓、神としてこの街を守って欲しいと願われた。

 この村は特にこれといって大きな害を受けている訳では無い。

 多少の魔物に農作物を荒らされたり、攻めよってくることはあるが何とか対処してきたが、決して裕福ではないのももちろん。

 この環境下に置いてもらってる身である以上、この村の助けをしようと考えた。


 だがその前に、なぜ死んだはずの俺は今こうして暮らしているのか俺はちゃんと理解していた。



 自身が年月を重ねる事に若返っていることを、肌のハリ、筋肉量や食欲もそうだ。

 感じる取れる。


 ある程度予想はつくが弟子のルーシーがいつしか死ぬ前か死んだ直後に唱えたのだろう。


 俺は教えた覚えはないが……

というか、俺が教えられるレベルの魔法ではない。




 あいつ俺の知らない魔法を開発していやがったな。

 俺は少しムッとした。



 俺の知らない魔法があるとは。



 俺は頭の中でルーシーが指さしてバカにする姿が脳裏に浮かんだ。



 だとしても、人の命を逆再生して蘇生する魔法。

どれだけの魔力量を駆使しているんだ



 あいつは今何をしているのかと考えていたが、三十年も経過している。

 今は忘れよう。



 やせ細った身体も一般的な肉厚まで回復したがまだ筋肉量が足りない。

 年齢の理由もあるだろう。

髪の毛は相変わらずのロン毛だが多少切ってもらった。

セミロングだ。

 そして俺はこれからの人生計画を練った。




 とりあえず、まずは肉体強化だ。


・現在の魔法や戦闘能力の力量。

・世の中の実情。

・そのあとに村の繁栄と開拓。

・これからの人生も考えないといけない。




 そういえば、重鎮が呼んだ生娘五人と一緒にひとつ屋根の下で暮らしているが手は出していない。

 食事もうまい。世話もしてくれる。望んだものを提供してくれる。普段の服装もエッチだ。



 確かにおっぱいは見たいよ。おっぱいぐらいは、


 たまにお風呂を覗きに行くこともあるし、見たいし触りたいし、正直やりたいが、俺の見た目60代だもん。




 定年を迎える見た目の俺に、この子らの性欲は発情しないだろう。

 相手のことも考える俺だ。



 この逆再生の人生をとりあえず楽しむことにしよう。




 俺は毎日肉体改造に励んだ。

 筋トレはもちろん。剣を振るい、村外れに生息している魔物狩った。




①オオカミに似た魔物 俊敏性と攻撃力がある。

 この魔物から攻撃を交わしながらアジリティを強化しつつ隙を見て断つ練習。




②人間の頭サイズの蜂の魔物 空中戦と射出攻撃

 空中の敵と射出への対処。




③守備力が強い魔物

 攻撃が効かない守備力が強い魔物に対してはどんな魔物でも必ず弱点があるため、

 急所への観察力の強化。




 次は魔法

 魔法は大きく分けてこうだ。



【基礎魔法】

①水系魔法

②炎系魔法

③土系魔法

④雷系魔法

⑤風系魔法

⑥回復魔法

⑦特系魔法 ⇒ 弟子 ルーシーが使った(逆蘇生魔法)



 俺は一度目の人生を体験した際の記憶と力で、ある程度の魔法は軽々とできていた。


 全盛期と比べるとだいぶ劣るが正直そこらの術士に比べマシだと自覚している所もある。



 俺自信、風系、回復系魔法は得意ではない。

 もし今後冒険に出ると考えた時にヒーラーがいないと困るところがある。

 いつか仲間を見つけようとも思っている。


 自分では習得する気は今のところない。



 まずは、水系魔法。

 これは便利だ。

 冒険中に水が無くては生きていけないし、冒険にとって必需品とも言える。

 水だからといって侮れない。

 超高圧に水を飛ばせば樹木など超簡単に切断できる。



 俺は手から発射されるウォータージェットで次々樹木を切り刻む。




 次は炎系魔法

 これも冒険の必需品。

 特にこの炎系は攻撃などによく使われるとも言われる。



 俺は手から放出する炎を形態変化させ、ファイヤーサーベルを作り出した。

 いわゆう炎の剣。

 こういった形態変化させ攻撃の幅を増やせる。




 次は土系魔法

 土系魔法はどんな時にも応用できる。

 土と共に生活していると言っても過言ではない。

 地面の土を使い攻撃と防御にも使える。

 また、炎や水と違い常に無限に存在するため術によっては魔力消費が少ない場合がある。



 俺は地面から岩の壁を出現させ、その岩から岩石を飛ばし攻撃。

 攻撃と防御の併用。




 次は雷系魔法

 雷系魔法は攻撃、スピードが桁違い。

 扱うのが難しく、使用する者は減る。



 俺は自身に雷を纏い、高速で移動。




 俺は毎日鍛錬に身を注いだ――





 この世界のことをもう少し話そう。

 この世界には大陸ごとに生息している人種や種族が異なる。

 魔族、人族、獣人族など、別の大陸に冒険することもあり、どの種族がどの大陸にいようがさほど驚きはしない。

 今俺がいる村は人族で形成。

 そして俺も人族、ルーシーは魔族だ。




 昔の話だが、

 俺とルーシーの出会いは俺がまだ冒険者として旅をしていた頃、都市で奴隷として売買されていたところを買い取ったことが出会いの始まり。

 俺はまだ子供だったルーシー見た時から凄いものに育つという理由だけで買い取ったのだ。(凄いものというのは体……?)

 ルーシーは初め、奴隷の立場ながら逃げ出したり抵抗するのだが、俺の優しさに徐々に好意を持ち一緒に旅をしていた。

 同じ時間を一緒に過ごす度に俺のセクハラチックな言動に嫌気を指していたが、晩年尽きるまでルーシーは俺と共に過ごした。


 その間に魔法や剣術を俺は教えた。



 話は戻る。




 剣術の練習は朝から昼まで、魔法を昼から日が暮れるまで行った。

 休憩を挟みつつ、辺りが暗くなると夜行性の魔物を討伐に向かった。

 毎日毎日その鍛錬を行い村人の関心と信頼も得てきた。



 休みの日には村の開拓だ。


 村では魔物が侵入し農作物や人への被害が出ていた。

 それを改善するために、まずは村人と共に木々の伐採だ。

 村から森にかけての距離があまりにも短く、魔物が森の茂みに隠れて村に近寄って来るため、気づくのが遅れて対処が遅れてしまう。

 そのため、まずは森との距離をはかった。

 伐採した木々は生活で使用する燃料へ。




 ある程度距離をはかれたら、次は今まで設置されていたヒョロい木の柵を取り壊し、太い丸太を地面に突き刺しそれを並べ、高さと強度のある塀を作った。

 これで簡単に入ってくることは出来ないだろう。さらに魔物が近づいてきていることが確認できるように高台も作った。



 村人達の剣術はそこそこだったため、ある程度の魔法を鍛錬がてら覚えさせもした。

 村人たちは覚えた魔法で家を建築。

 土系魔法で硬質の素材を作り出し今よりずっと硬質で頑丈な家がいくつも建った。



 俺はますます村人から称えられ家族のように扱われるようになった。




 歳月が経ち、さらに四年程がたった頃。

 俺は60歳を迎えた。

 さらに見た目が若返った俺は筋力も戻り、シックスパックに胸筋が浮きでて、素晴らしい身体に成長を遂げた。



「ブンッブンッ」と

 俺はこの日も剣を振るい鍛錬を続けていた。




「だいぶ力が戻ってきたな」




 鍛錬を続ける俺を遠目に、視線を向ける小さな女の子。4歳ほど。

 木の物陰から不思議そうに眺めるその視線、指に手をくわえ、どことなく可愛い。



 またあの子見てる。



 俺はここ数ヶ月、毎日のように剣を振るう姿を見られていることは気づいていた。

 だが、あえて声をかけてくるまで無視していた。




 視線を送られるのは別に問題ではないが、数ヶ月も前から毎日毎日声もかけてこないことに不気味さも感じていた。

 意を決して俺はその4歳の女の子に声をかけてみた。




 剣を素振り。

 女の子は一瞬瞬きをした瞬間を見て俺は消えた。




「えっどうして?」




 女の子は消えた人物を探し見渡すがどこにもいない。




「後ろだ ここで何してる?」




「わっ…」


 女の子は驚きの拍子に地面に転んだ。




「あーあー大丈夫かー?」




 奇しくも女の子が転んだ地面は、昨晩降った雨の水たまりだった。




「おいおい大丈夫かー?」


「はははは 転んじゃった」



「バカだなー」

 女の子は笑顔だった。

 それにつられ、俺も笑ってしまった。



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