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第二十五話「戦利品」


「ゴー グラグラー」と

 洞窟内が揺れ、振動を与えている。

 パラパラと壁の岩が崩れ落ちている。


 暗い洞窟内に光る四つの玉。

 数mを照らしながら洞窟の出口へ走って目指す。


 三人と一匹は息を切らしていた。

フォーの子供はこんな危機的状況下においても親の背に乗り笑顔で楽しそうだ。


 正面50メートル先に白く光る一片の光。

「出口です!」

「みんな頑張って!」


 崩れゆく洞窟。

 あと数メートルというところで瓦礫が俺たちを塞いできた。

 そんなことはお構い無しに俺の一太刀で瓦礫を粉砕し、何とか洞窟の外に躍り出た。


 洞窟を出た瞬間、肌で感じる温度が急激に変化した。

 一歩出るだけで寒いから暖かいへ。

 全員が息を切らして、今ここに生きている自身の命を実感しアナとメイは抱き合った。


 空は晴れていた。

 久しぶりに感じるこの温もり。

 太陽というものはやはり素晴らしい。

 生きていることを再び感じることが出来た。

 涙腺が緩みそうだ。


 そして、俺達が洞窟から脱出した後、洞窟の入口が崩れた。

 間一髪のところだった。


 それにしてもここはどこだ?

 焦って帰り道を選ばずひたすら出口を目差したが、ここは俺たちが入口として入った場所とは違う場所のようだ。

 地面は芝生が生え、数メートル先には新緑が見える。

 別ルートの出口か?

 俺は出てきた洞窟を見返した。

 俺たちは頂上から内部に入ってきたが、ここは麓付近。

 どうやら洞窟内では下るように探検していたようだ。


 そんな模索をしているとメイが発した。

「あ、ここどこかと思ったらうちの作業場の近くだ」


「作業場と言うと、鍛冶場?」


「そうです」

「なるほどここにつながっていたのか」

「父がよくここの洞窟から素材を採取するために使っているんですよ」

「ここから少しかかりますが案内します」



× × ×



 そこは古い小屋だった。

 山小屋が鍛冶仕事に適されたように改良が重ねられた建物。

 機材が多く設置されている。

 ここで生まれた名刀も数多くあるだろう。

 大事に使われている。

 職人の心の良さを機材で窺えられるとは何という神秘。


「こちらです」

「ただいまー」


 メイは気軽に職人が仕事場とする部屋の戸を開けた。


「おう メイ!」


 そこに居たのは仕事着であろうオーバーオールに娘と同じく黒髪の四十代の男性だった。

男性は七三の髪型でとてもダンディーだった。



「随分遅かったな」


「ちょっと色々あってー」


「そちらのお客さんは?」


「ああ、こちらアーサー様 父さんも知ってるでしょ!?」


「……あーあの!」

「噂は聞いております」

「村を救ったヒーロー様だと」

「すみません。仕事柄ここに住み込みなもので気付かず」


「いえ、全く」


「で、こっちがアナとそれから魔物のフォージャッシュウルフのフォーとそのお子さん」


「ああ、そうか、よろしくな」


 えー、魔物がいるのに普通に会話が通った。

 フォーってそこそこランクの高い魔物だと思うが……

 このおっさんの危機察知能力どうなってんだ?

 ああ、あれだ娘の影響か、メイが昔から相当なやんちゃをしたせいで耐性ができたんだな。

 それなら納得が行く。

 ロリっ子ギャルだしな。


「まあ、少し休みなみんな身体汚れ過ぎてるぞ」



× × ×



 俺たちはあれから一服した。

 外に並べられた机と椅子で休憩をとった。

 やはり肌で感じる太陽は素晴らしい。

 俺は椅子にもたれかかった。

 そして、冷たいアイスティーを飲みながら、これまでの経緯を話した。



× × ×



「ほーそんなことが大変だったなー」


「ということで、お渡ししたいものが……」


 俺は別空間魔法を展開させて取り出した。

 父は一目でわかった。


「これは…確かに俺が打った刀だ」

「だが、形状が大きく変わっている」


「やはりそうですか」

 ガバリオンが使用していた折れた刀剣を差し出した。


「いつの間に!」


「洞窟が崩れる前に拾っておいたんだ」


「こちらをお返ししようかと思いまして」


 父は禍々しい瞳で眺めていた。


「……妖刀」


「ええ」

「やはりご存知で」


「ええ、まあ」

「俺が打った刀だから忘れもしない」

「この刀は特別だった」


「おそらく、あなたが打った時は切れ味がとてもよく大業物でしたでしょう」

「ただ今は妖刀化しています」

「使用者本人が意図して行ったことなのか、それともまた別の仕業なのか…」


「この刀を打ったのは単なる興味本位だった。素材を渡された時に見たことも無い素材から実際に打てるかも分からない物で迷ったが、鍛治職人として打ってみたかった思いがあったんだ」

「まあ、仕事病ってやつさ」


「この刀の素材を調べてみましたが、よく分かりませんでした」

「まだこの世界で未知の素材の可能性が高いです」

「登録されている素材リストにも記載されておりませんでしたし」


「そうか、私も鍛治職人の端くれ、素材の種類や形状は頭にインプットされている。私も見た瞬間にそう思ったさ……」


「この刀は使用者の求める刀へと形状を変える能力を持っておりました」

「それに、相手の血を吸収する事に能力向上の効果が付与されていました」


「いや、俺は知らなかった」

「俺の打った刀がこんな形に使われていたなんて…」

「すまない。俺がこんな刀を打ったばかりにみんなにこんな……」


「いえ、それは構いません」

「刀は打った方が悪い訳ではありません」

「使用者の使い方の問題です」

「…ただ素晴らしい刀ということは変わりありません」

「こちらはあなたへお返し致します。これからも素晴らしい刀を作り続けてください」


「…ありがとう」


「一つ気になるのが、この刀の元となった素材ですね」

「リストに乗っていないということ」


「うーん……」


「あくまで可能性として、新種の素材」

「ただそれだと、リストに記載されていてもおかしくないです」


「希少素材でまだ認知されていない可能性もある」


「それはありますね」

「希少かつ利益のあるとてもスペックの高い素材と窺える。国が独占化して公表していない可能性も取れます」

「もしくは、人工的に作られた素材…」


「何とも言えん……」


「そうですね。とりあえずは調査が必要ですね」


「私もこの素材について調べてみます」


「感謝致します」


「あと、ちなみにお聞きしたい。この刀の性質を変えて復元することは可能ですか?」


「ああ…」

「それはできるが、全く同じ素材がないと無理だ」

「いくら良い素材で復元しようとしても素材が違うことで接合部分が分離反応を起こして強度が軽い代物になるだけで…」


「そうですか…」

「でしたら、私に新しい剣と杖を打って欲しい」

「メイと一緒に」


 俺はメイを見た。

 メイはその言葉に心のそこから沸きあがるように笑みがこぼれた。


「それは構わないが、娘はまだ半人前で良い剣が作れる保証が…それに素材が今枯渇していて、うちには大したものがない」


「メイとあなた、お2人で打って頂きたい。それにメイは私が保証しますし、素材ならあります」


 俺は別空間魔法で取り出した。


「ドサッ」

 地面に置かれる巨大な物体。

 黄金に輝く。


「えー」

 全員が驚愕した。


「くすねといた」


 そこには剣の素材になりうる。

・インゴットドラゴンの翼

・クリスタルの鉱物


 地面に無造作に置かれていた。


【ジャスミン(作者) 身近なニュース報告欄】♯9

最近、飲食店や映画館に行くたびに感じること

夏服なのに店内寒すぎww

服装悩みます。。



第25話です。

宜しくお願い致します。

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