第二十四話「金山からの脱出」
インゴットドラゴン。
全身を黄金の鱗を纏い、見るもの全てを魅了させるその輝きは伝説級のドラゴンと言える。
冒険者ギルドの討伐クエストではSSS(トリプルS)ランクの超高難易度クエストだ。
全身が高額取引にされるため、鱗一枚でも探し求める冒険者は多い。
ただ討伐とまでは行かない。
俺はインゴットドラゴンの様子を見る限り、インゴットドラゴンにとってクリスタルドラゴンは恐らく兄弟か夫婦。
クリスタルドラゴンの遺体を見た途端殺気が変わった。
討伐者への一撃であろう。
ドラゴンは嗅覚も良い。
お湯で洗い流した程度では血の匂いは消えないのだろう。
的確に俺とガバリオンを狙っている。
それにしても、まさか連続で伝説級のドラゴンと相見えるとは、
とりあえず、インゴットドラゴンを討伐して、二匹の遺体を持ち帰って……
そんなことも出来ない状況だった。
ドラゴンブレスを放った瞬間、俺は魔法障壁でブレスを防ぐ。
現状永続的に続くブレス、俺の足に力が入る。
「……ん? ……はあ~!」
魔法障壁でとりあえず防いだのは良かった。
下半身に感じる重みと違和感が俺を心をイライラさせる。
ガバリオンがいきなり俺の腹を抱きしめたのだ。
「えっ?」
「いやいや、ここは一瞬、ほんの一時的に休戦だ」
「お前も言っていただろう?」
コノヤロウ。
こいつは都合よすぎだろ!
「いやいや、出ていってください」
「あなたがやっていることはおかしい」
「そう言わないで、次が来るぞ」
こいつはあれだ……結構ダメージくらってるな。
そしてクズだ。
インゴットドラゴンは自身のブレスを防がれたことに次の攻撃へ移った。
勢いを付けて放たれたその攻撃はインゴットキャノン。
黄金に尖った礫が発射された。
俺はすかさず魔法障壁を五重にして対応。
「ナイス!」
「これはどうだ?」
隣で実況しているガバリオンがとてもうるせー
バリンバリンと砕かれていく障壁。
いとも簡単に砕かれ俺たちを襲った。
「痛ってー」
「ちゃんと防げよ」
絶対こいつ殺す。
俺は表には出さないが、マジでこいつに腹が立っている。
再びインゴットドラゴンは勢いをつけてドラゴンブレスを発射。
「ガバリオン!」
「ここは一時的に休戦だ」
「このままだとやばい!」
「おっ…おう」
俺は不本意ながら一時休戦とした。
「それで? どうする?」
なんなんだコイツわ。
お前も少しは考えろ。
「壁を伝ってドラゴンを地上へ落とすんです」
「空中戦は分が悪すぎます」
「あなたならできるでしょ!?」
「おっおう」
「わかった」
「私はドラゴンの着地と同時に魔法で畳み掛けます」
「分かったらさっさと行ってください!」
「おーけー」
ガバリオンは爪を尖らせ四足歩行で壁に向かって走った。
爪を壁にめり込ませながら壁を伝ってドラゴンの元へジャンプ。
そして、ドラゴンの後頭部へダブルスレッジハンマーを繰り出した。
ドラゴンは後頭部への攻撃をくらった瞬間、ガバリオンを包み込むほどの大きさの右腕で平手打ち。
両者相打ちという形でガバリオンは壁に激突。
インゴットドラゴンは後頭部への衝撃で一瞬意識を失いそうになった。
そのまま急降下し、地面に叩きつけられた。
粉塵が舞った。
インゴットドラゴンは叩きつけられたことにより、脳へのダメージで十秒ほど動けなかったがすぐさま体勢を整えようとしていた。
俺はこの十秒を無駄にはしない。
俺は右手をドラゴンに向け、風系魔法 「ウイングリッパー」
空気中の風を刃に変えた技でドラゴンの左翼を切断した。
切断面から血潮。
ドラゴンは痛みからか叫んだ。
もがき、暴れだしたドラゴンに俺は畳み掛けた。
土系魔法 「ロックキャノン」
周りに存在する岩を使いドラゴンへ覆いかぶせるように積み上げた。
積み上げられた複数の巨大な岩の重みから簡単に抜け出すことは容易ではない。
それを証拠にドラゴンの動きが止まった。
俺はふぅーっと一息。
インゴットドラゴンには悪い事をした。
おそらく身内であるクリスタルドラゴンを殺めてしまったからな、命だけは取らんでおこう。
だから、大人しくしといてくれ。
「師匠!」
アナ、メイ、フォーとその子供が俺に近づいてきた。
「師匠お怪我は?」
「ええ、私は大丈夫です」
「アナこそお疲れ様」
「回復魔法助かりました」
俺はすっかり仲間の存在を忘れていた。
アナは照れた。
「いえいえ」
「いやーびっくりしたー」
「というかまさか二匹のドラゴンが……」
「とりあえず片付きましたね」
「ええ、まだ生きてはいますが、このままでも数時間は動けないでしょう」
「そのうちにここから出ましょう」
「た…たすけて…たすけてくれ…」
どこからが聞こえる声が、
こいつの存在も忘れるところであった。
ガバリオン。
俺はガバリオンに恐る恐る近寄った。
見てみると、ビーストモードは解除され、人と獣人の間、人獣型に戻っていた。
どうやら体力もそこを着き、身体すら動けないようだ。
「ざまあないですね」
「だから、戦いはやめようと言いましたのに」
「獣人の人、自業自得」
アナはガバリオンを貶した。
「本当にバカなお人ですね」
「アーサー様に勝てるわけないじゃないですか」
メイも貶した。
フォーとその子供も舌を出して貶した。
ガバリオンは今にも力つきそうな弱々しい口調で言った。
「お前騙したな……」
「わざと先に攻撃させて……ドラゴンの返り討ちに遭うことを知っていやがったな……」
「えっ……」
「いや……」
俺はそんなことは無いと撤回しようと言葉を発しようとするが、メイが割り込んできた。
「当たり前じゃない!」
「あんな怪物相手に誰が先手切ると思う!」
「ちょうどいい実験体がいたから相手の強さを図るためにあんたを先に送り込ませてもらったわ」
「そんなことにも気づかないなんてあんたそれでも本当に神強五大序列の1人?」
「そんな低レベルな罠にハマるなんてあなたはバカね」
メイは腰に手を当てて堂々と威張った。
「そうですよね! アーサーさま~」
いや、そんなこと考えてもなかったし、別に囮に使った訳でもないし。
なんか、話が勝手に……
「ということで、あんたもう死になさい!」
「ゴォーー」
ドラゴンの咆哮。
封じ込めていたドラゴンが咆哮しながら再び暴れだした。
インゴットキャノンを辺り関係なくぶっぱなしている。
壁などに無造作に攻撃されたことにより耐久率が下がり、ひび割れ、洞窟内が揺れ始めた。
「みんなこの洞窟は崩壊するぞ!」
「早く撤退だ!」
俺はガバリオンを抱えて入ってきた入口に向かおうとしたが、ここで俺の本性が少しだけでてしまった。
彼を置いていこう。
それが得策だと思う。
後々厄介事はご勘弁。
ましてや村のみんなを皆殺しにするとか言うやつを生かしておく訳には行かないからな
すまんな。ガバリオン。
徐々に崩れゆく洞窟内。
瓦礫が降ってくる。
俺はみんなと出口へ走った。
ガバリオンの方には一度も振り向かず出口を目指した。
「クソが! クソがー!」
「ぜってぇー殺すからなー」
ガバリオンはそう叫ぶと目の前が真っ暗になった。
【ジャスミン(作者) 身近なニュース報告欄】♯8
コーヒーを一日3杯は飲みます。
それはいつからでしょうか?
今思えば、昔子供の頃コーヒーのあの苦さにどこがおいしいのだろうとつくづく感じていましたが
大人になっていつの間にか自然と飲めるようになっている。
人間って不思議だなと思っています。
そして、心は子供なのに見た目は大人って
名探偵コナンの真逆w
第24話です。
宜しくお願い致します。




