第二十三話「インゴットドラゴン」
「キンッキンッ」
混じり合う金属音が洞窟内で何度も木霊する。
それは現在まで二十時間続いている。
もうすぐ丸一日経過するところだ。
洞窟内にある天窓が、明るい姿を見たのはこれで二度目。
明るいうちに戦いが始まり、暗くなり、また日差しが差し込めたのだ。
一体いつになったら終わるんだ皆そう感じていることであろう
これといってすることが無い。
俺に助け舟をしようとしても以前行った遠隔回復のみ。
終わりの見えない戦い。
二人の戦いを目視しようにも早すぎて追いつけない。
目がチカチカしてくる。
クリスタルが散らばる洞窟内に金属音が響くだけだ。
アナによる遠隔回復。
ガバリオンの持久力。
どちらも永遠に終わりが見えない。
俺は魔法攻撃を何度も仕掛けようと試みていたが、ガバリオンはそうはさせない。
自身の弱点でもある。
魔法での遠距離攻撃。
根元から刈り取れば良いだけの話。
逆に俺は、魔法攻撃がほとんど使えてない中、やはり近距離での戦いはガバリオンに分がある。
アナの遠隔回復が頼りだ。
膠着状態――
【ガバリオンの戦況】
アーサーの魔法攻撃を徹底的に刈り込んで、近距離戦での攻撃でダメージを与えているが、アナの遠隔回復。
糸口が見えない。
なら、ヒーラーを叩けば良いのでは?
それはガバリオンの信念が許さない。
【アーサーの戦況】
近距離攻撃ではガバリオンに分があるため、魔法攻撃で試みるが、次々に刈り込まれてしまう。
こんな狭い洞窟では魔法攻撃はあまり適されていない。
なら、やはり近距離で詰めるしかない。
こんな両者の立場から戦況が全く動かないのだ。
フォーの子供はスヤスヤ眠っていた。
フォーは可愛い子供の寝顔を見てリラックス。
さすがに長時間の同地での戦闘。
地表の耐久率は減っていた。
壁やクリスタルにひび割れが発生。
足場にしている分その反動だ。
そして、俺たちの高速の戦いが一旦停止した。
俺とガバリオンは自身の剣を一瞥。
お互いの剣は刃こぼれしていた。
汚れた身体。
俺たちは息をゼイゼイさせながら。
「流石にもういいのではないでしょうか?」
「このままでは決着はつきません」
「私は回復がある分いつまでも戦えますが、あなたのタフさ、いずれ崩れますよ」
「まさか敵の心配をするとは余裕だな」
「つくづくムカつく野郎だぜ」
「この刀もダメだな」
ガバリオンは刀剣を地面に突き刺した。
「これは俺の失態だ」
「俺がまだ未熟なため刃こぼれをしてしまった」
「そんなことは無いでしょう」
「あなたは恐ろしく強い」
「私の創造した剣も刃こぼれをしてしまいました」
「いや、俺のせいだ。すまなかった」
俺は薄々感じていたが、やはりこの獣人は心優しい。
言葉は悪いが道理があるし、まず、戦闘において相手のヒーラー叩くという常識を行わない。
正々堂々だ。
やはり戦闘するべきではない。
「どうでしょう?」
「また、今度戦うことを条件に一時休戦ということで…」
「はあ、なめてんのか?」
ですよねー
こいつは恐ろしほどの戦闘狂だ。
「国の驚異になる以上、命に変えて活かしてはおけねー」
「だから何度も言うように、私はあなたの国の驚異にもなりませんし」
「穏やかな生活をですね……」
「ただの口約束にすぎねーけどな」
「はあ……」
「無詠唱魔法、こんなものがこの世界にあってたまるか」
「お前を殺したあと、そこの女も村人も全員皆殺しだ」
「はあ?」
俺は睨んだ。
「もちろんそうだろう。お前を殺しても無詠唱で魔法を使えるやつがいるならやはり殺すべきだ」
「じゃないとこの戦闘に意味が無くなるからな」
「国を巻き込んででも滅ぼそう」
そうか、前言撤回。
こいつは心優しくなんかない
ただの殺戮獣人、国の犬だ。
「やってみろよ」
「お前ら全員返り討ちだ」
俺は剣を創造した。
二本目の剣だ。
ガバリオンは刀剣を失ったため、自身の爪と牙を尖らせた。
そして俺たちは再び戦闘に挑もうとしていた。
「キュイーンキュイーン」
突如として上空から聞こえる甲高い音。
視線は洞窟の天窓へと移った。
黄金に光り輝くドラゴンはこちらに睨みをきかす。
金で出来た身体。
「バサバサ」と翼を羽ばたかせている。
羽ばたく度に金粉がキラキラと光り、それが日差しと混合しさらに美しさを際立たせていた。
インゴットドラゴン。
いわゆる黄金のドラゴンだ。
ドラゴンはクリスタルドラゴンの死体を一瞥しながら口に溜め込んだ炎を発射した。
逃げ場のない洞窟内で、インゴットドラゴンによる真上からのドラゴンブレスが炸裂した。
【ジャスミン(作者) 身近なニュース報告欄】♯7
CODモバイル、APEXモバイルと、
スマホでできるFPSにハマっております。
毎日、夜友達とやっていますが、飽きずにハマりますねw
第23話です。
宜しくお願い致します。




