第二十一話「男の正体は「ビーストモード」」
「グハッ」
吐血――
俺の体内の血液が騒ぎ出しているのが感じ取れる。
胸や脳がザワザワしてくる。
どうやら俺の身体は鉄分を欲しているようだ。
血を流しすぎた。
それに内臓の損傷。
自己治癒能力では治せないほどの重症だろう。
普通の人間なら死んでいる。
「いってぇ~」
俺は目の前にいるコイツとではなく痛みと戦っている。
こんな老いぼれに血液が足りなくなると流石にバテやすい。
あ~~
辛い、なんか眠くなってきた。
死の前の前兆か?
こんな感覚、ルーシーと過ごしていた頃を思い出す。
あの時は楽しかったな~
「ディスタンス ヒーリング」
「……!」
癒されるこの気持ち。
痛みが引いてくる。
回復力量が半端ない。
俺の地面の周り、そして頭の上に二つピンク色の魔法陣が発生していた。
そこから発せられるじんわり温かい温もり、
これのおかげか。
俺はこの魔法陣を見た時に誰の仕業なのかすぐにわかった。
そしてすぐに気持ちが高ぶった。
アナ、ありがとう。
お前はこんなことも出来るのか、こんなやつ初めてだよ。
本当に賢くて優秀、俺には君が必要なようだ。
魔法陣から出ようにも、どうやらこの魔法陣は俺にピッタリくっついてくるみたいだ
【回復特系魔法】
アナ独自の魔法だ。
・術者の魔力が尽きる。またはその術を解くまで魔法陣がその者を追跡し、永遠に治癒、回復させる遠隔回復魔法だ。
「ジューー」
俺に空いた右肺の傷や肩の傷が、肉が焼かれるような音を出しながら修復されていく。
俺は感謝を込めてアナを確認した。
するとアナは親指を立ててGood。
なんておちゃめなやつだ。
さて、傷はほとんど癒えたところで、ディスタンス ヒーリングは役割を終え消えてく。
俺の眼前にいる労しい光景。
ガバリオンがいた。
自身の技なのにワイバーンを解除しようとしなかった。
それは何故なのか、ガバリオン自身も理解している。
奥まで突き刺さった牙を抜くことによって出血性ショック死の可能性を示唆していたのだ。
ここは抜かない方が得策だろう。
「さて、これからどうする?」
「私は特にあなたを殺す気はありません」
「お前のところには珍しいやつばかりいるなー」
「まさかあんなガキも無詠唱魔法を」
「ええ、彼女は天才」
「そして私は彼女の師匠です」
俺は天才的な能力、優秀すぎる弟子の師匠であることをあからさまにドヤ顔を披露してやった。
「なるほどな、それなら検討がつく」
「なら、あのガキもお前同様、他にも(他系統)無詠唱が?」
ガバリオンの声は枯れていた。
「いえ、使えません」
「回復系魔法だけです」
「それ以外は無です」
「なんだそれ」
「回復のみか」
「ええ」
「今となってはなぜ回復魔法しか使えないのかは分からないが、元々あの子は魔法そのものの才能がなかったのです。初級魔法ですら使えなかった」
「どういうことだ?」
「じゃあ、なぜあんな回復魔法を?」
「私が教えた」
「は? どういうことだ」
「私も今思えば、というか最近わかったことなのですが、どうやら無詠唱魔法使いの私が他の者に魔法を教えると、その者は無詠唱魔法使いになりやすいという結果が出てきています」
「その結果として、あの子ももちろん」
「あの子の住んでいる村の住人も一部無詠唱で魔法を使える者もいました」
「何故なのかは分かりませんが、恐らく私が関係していることは確かでしょう」
まあ、大概ルーシーの仕業だろう。
「何だよそれ!」
「無詠唱集団って事じゃねーか!」
無詠唱集団なんて善い響きだ。
俺は敵ながらこの文言を気に入ってしまった。
「まあ、そういうことになりますね」
「命だけは助けます」
「もう私たちに関わらないで頂きたい」
ガバリオンの吐血――
「あと、もう喋らない方がいい」
「本当に死にますよ」
「それでもあなた、この世界で五番目に強いんでしょ?」
「死んでしまったら笑われますよ」
俺は冗談のつもりだった。
こっちもバカにされた側だ、少しの愚弄は許されるだろうと、そんな簡単な解釈。
プツン――
糸が途切れる音が本当に聞こえてきた。
人が瞬間的に怒りが芽生えた時の表現として、プツンと何かが切れる音がするという表現を聞いたことがある。
それがガバリオンから聞こえた。
俺の耳にもちゃんと聞こえたのだ。
今解き放たれた。
「俺が弱いってことか?」
「なあ…」
「俺が弱いってことかー!!」
ガバリオンの発狂した表情に俺は少したじろいだ。
「許さねー」
「バカにしやがって」
「殺してやる」
「後ろの女諸共殺してやる!!」
声を荒らげた。
「後悔すんなよクソジジイ!」
男の特徴でもあった緑色の髪の毛が全身を覆うように伸び始めた。
さらに、瞬く間にして毛穴という毛穴から緑の体毛が出現し全身を覆い尽くす。
自身の技でもあるワイバーンを解除しそこから大量の血液が流れ出すが、何も表情に出ていない
右肺に突き刺さった恐ろしく長い剣を簡単に抜き、剣のグリップを異常に突き出た犬歯でしっかり加えた。
鼻面が犬のように伸び、獣耳がぴょこんと生えるまるで獣だ。
体毛におおわれた尾も出現。
そして、何よりでかい。人間の大きさでは無い。
人間だった頃の大きさはせいぜい180センチ。
それをゆうに超えて3メートルほどに。
その男は言った。
これがビーストモードだと。
【ジャスミン(作者) 身近なニュース報告欄】♯5
人生の3分の1は睡眠と言います。
最近、左肩がものすごく痛いです。
朝起きるごとに痛みを増して、夜になると消えますが、また起きると痛みます。
年齢のせいでしょうか?病気?それとも寝相が悪すぎる?ww
と、考えていますが、とりあえず今使っている枕を変えてみようと考えています。
皆さんは寝ていて肩とか痛くならないですか?ww
第21話です。
よろしくお願い致します。




