第二十話「攻防の行く末は逆転の再逆転」
剣撃―
「キーン ジリジリ」
火花が飛ぶ。
混じり合う剣の鋼鉄が声を上げる。
「こんなものー!」
俺が今ある全力の腕力で危険視するこいつの首元に刃をかけようとしたが、やはり最強の一人。
この程度では抑えられた。
こいつの首元に刃を通すには力では心もとないならばもっと速く!?
それとも魔法で対応するか?
まだ分からない。どうすればいい?
こいつの戦闘スタイルが全く分からない。
剣で真っ向勝負、そんなところだろうと思ってはいるがそれだけでは無いはずだ。
当代最強の五人の一人。
かならずカラクリがあるはず。
俺は剣が混じえる最中、次の一手と相手の動きを予知。
瞬間的な攻撃に身体の体制から見て俺はまさっている。
そう思っていたが、こいつはぶり返してきた。
「ああああー!!」
腕力が強すぎる。
年齢差か?
攻戦一方に見えたこの攻撃も、ガバリオンは腕の力だけで俺の一撃を盛り返すつもりか。
力が押し負ける。
「おらー!」
ガバリオンは声を荒らげて、完全にぶり返してきた。
そして俺はその力に押し負けて弾き飛ばされてしまった。
「何!?」
俺は力が押し負けたことに対して唖然としている暇もなく、ガバリオンは次の攻撃を畳みかけてきた。
「旋風のワイバーン」
翼の生えたワイバーンの形状の斬撃だ。
まるで生きているように俺に向かってくるワイバーンの斬撃は、咆哮を唱えながら俺に接近し右肩に噛みつき、岩壁に押し付けられた。
目標に投擲されたのにデリートされない。
主人の言うことをよく聞くワイバーンだ。
まったく。
俺はもがくがこのワイバーンは両手を使い、さらに俺の左腕と身体を押さえつけてきた。
「アーサー! 終わりだ!」
ガバリオンは剣先をこちらに向け、突きの構え。
やばい! 格好の的だ。
左腕を抑えられた俺はなんとか動かせる右手と左手を使い無詠唱魔法を発した。
左手でガバリオンが踏んでいる地面を柔化させ、身体中にへばりつかせ動きを固めた。
さらに右手ではサッカーボールサイズのファイヤーボールを連続で放った。
だが、「ボンボン」とガバリオンの前で鎮火されるファイヤーボール。
ガバリオンの周囲に発生する圧がこの程度の炎をことごとく鎮火しているみたいだ。
「無駄だ お前のその体制からどんな攻撃をしようが俺には通じない」
「悪いな」
ガバリオンにまとわりつく地面の土が顔全体を埋め尽くす時、
「インジェクション・キル」
ガバリオンの足元に火花が散った。
瞬く間の突き速さ。
その矛先が俺に向かってきた。
「グサッ」
吐血――
「……よく見えたなー」
「心臓を狙ったつもりだった」
ガバリオンの突きの一撃が俺の右肺に突き刺さった。
右肺が損傷したことにより呼吸がしずらい。
なんなんだ本当に、俺はたかが金を探しに来ただけのこと、なのにここまでこんな惨劇になっていることに対し怒りが増してきた。
「当代最強の五人に数えられるあなたがまさか、こんな雁字搦めの弱者の急所を外すとは、神強五大序列というのもまだまだですね」
俺は可能な限り声を立体に話したが、やはり右肺の影響で声がか痴れる。
クソが。
「なんとでも言っていろ」
右肩に噛み付くワイバーンがさらに噛み付いて牙が俺の右肩の肉を脅かす。
「この状況下をしっかりと理解した上で話す言葉だ」
「何度も言いますが、俺はどこの国にも属す気は無い」
「あなたの敵になることもなかった」
「命乞いか?」
「たとえお前が他国に属する気ないと言われても口約束に過ぎない」
「この世に絶対とはないんだよ」
「後々俺の脅威にもなりかねない。念の為だ」
「許せ」
「なるほど、ようやく分かりました」
「この腐った神強五大序列とかいうものはイカれたやつしかいないようですね」
「共存を考えない。勿体ないですね。あなたのような本当の強者」
「人柄が良ければ少しは誇れたろうに…」
「なんとでも言え」
「終わりだ」
「そうですね」
「終わりです」
「エクスチェンジです」
「ガバッ」
ガバリオンの吐血――
二人の位置関係は入れ替わった。
ガバリオンの右肩にワイバーンが噛みつき、右肺は己の刀剣が突き刺さる。
一方、俺は膝を着いた。
右肺の損傷が深いためだ。
俺は最初からこれを狙っていた。
一対一での攻防に勝てるかわからない。
なら相打ち覚悟で……
こちらにはアナもいる。
この攻撃はこちらに分がある。
俺は現段階までそう感じていた――
【ジャスミン(作者) 身近なニュース報告欄】♯4
先日水漏れしていた天井がついに直りました。安堵した束の間、今度はその水漏れ部分から異臭が発生しています。一体どうしたらいいのでしょう?ww
うちの家は欠陥だらけのようです。。
第20話です。
よろしくお願い致します。




