第二十三稿その1
軍事拠点が完成した。
兵士の育成もある程度進んでいるようだ。
私たちはいよいよ人民掌握軍の土地へと攻め入る。
まずは真っ正面に楔を打ち込む。
どんなに小さくてもいいから、楔を打ち込んだらその楔を強固にして少しずつ大きくする。
軍事拠点はその楔を守るための後方支援として活躍するはずだ。
「楔を打ち込むのはパクチーよ。思う存分暴れてちょうだい」
そう私が指示を出したのがつい先ほど。
確かに暴れろとは言ったわ。
でもねパクチー君。……暴れすぎよ。
いやいいんだけどね。いいんだけどさ。
予想以上なのよね。
「これは掌握軍が弱いのかパクチーが強いのか……」
私が呟くと、クレソンちゃんが、どっちもでしょ。と言った。
当初の予定では小さな楔を打ち込むという予定だったのに、結果だけを見れば、パクチー君が前線の人民掌握軍を蹴散らしてくれたおかげで楔を打ち込むどころか、前線そのものが後退した。
ルッコラ君が言う通り、突出した力ってのは本当のようね。
「とりあえず楔を打ち込む形はできなかったけど、当初の予定を大幅に巻いてるからいいよね」
私が隣のクレソンちゃんに言う。
「最前線に砦を築きましょう。そこを攻撃の拠点として、再び前線に楔を打ち込むようにしましょ」
クレソンちゃんの指示で再び砦の建設が始まった。
私たちが苦労して作った軍事拠点は何だったのか……
こうなってしまえば、後方に建設しようとしてた輸送拠点はいらなくなるね。
「じゃあ、輸送拠点は作る必要がないって伝えてくるわよ?」
バジルちゃんがつまらなそうに言う。
活躍できなくてつまんないんだろうね。
行くわよ。なんて言ってルッコラ君を連れて行ってるあたり可愛らしいね。




