第二十一稿その4
小高い丘は相変わらず私にとってはかなりしんどい。
でも私は思う。人間のいいところは学習能力にある!と。
私は前回の転移でカラアゲさんとナポリタンに、丘の登り方を教えてもらっている。
カラアゲさんが言うには両手を大きく振るだったね。この方法は筋肉バカにしか効果ないとかナポリタンが言ってたけど、パセリなら平気な気がする。
あとは呼吸法か。吸う吸う吐くだっけ?
「あんた意外と体力あるのね」
バジルちゃんに褒められるけど、これは私の力というよりパセリの身体能力とカラアゲさんとナポリタンのアドバイスのおかげ。
苦笑いで返すとなぜかパクチー君が抵抗してきた。
「俺も疲れてねーけどな!」
「バンパイアは身体能力が高いからね~」
にこにこ笑いながらそれにツッコムクレソンちゃん。なんか怖いよ。
丘を登りきると、確かに聖剣はそこにあった。
地面に突き刺さる形で両側に石が積まれている。
見方によっては確かに祀られているようにも見えるけど、私からしたらぞんざいに扱われているようにしか見えない。
「あれが聖剣?」
念のためにクレソンちゃんに確認すると、笑顔で微笑まれた。
どうやらあのぞんざいに扱われているのが聖剣で、フェアリーの中ではあれを祀っているようだ。
近くに行けば行く程にぞんざいに扱われていたのが分かる。
まずクモの巣!どれ程手入れをしていないのかが分かる。
そして埃!何年も誰も掃除をしていないのが分かる。
積もりに積もった落ち葉から周囲すらも掃除していないのだろうね。私ですら年に1回はお墓参りに行って掃除とかするのに。
「随分汚れてるな」
パクチー君!よくぞ言ってくれた。私が言ったらバジルちゃんからの、あんたばかぁ?が飛んできてたよ!
「フェアリーは掃除とか苦手だからねー」
のほほんとクレソンちゃんが言うけどそうなの?むしろ得意なのかと思い込んでたよ!
「もしかして料理とかも苦手とか?」
まさかと思って聞いた私の問に、バジルちゃんが当たり前じゃない。となぜか堂々と答えた。
どうやらフェアリーは家事全般が苦手なようね。
「えーと、これを勝手に抜いて持って行っていいの?」
気を取り直して聖剣を見ながらバジルちゃんとクレソンちゃんに聞く。
「勝手に取ったらダメでしょ」
背後から声をかけられる。
「お!お母さん!」
バジルちゃんが驚いて両目を見開く。
私たちの後ろにはバジルちゃんのお母さんが立っていた。




