第二十一稿その2
バンパイア村はその名の通りバンパイアが住む集落。
家はなく、岩に穴を掘ったり土を盛土にして穴を掘ってその中に住んで生活しているようだ。
それよりも私が驚いたのは――
「凄い陽気な村だね」
辺りをキョロキョロしながらルッコラ君に言う。
「うん!バンパイアは基本的に明るい性格の人が多いから」
そうなんだ?私のイメージでは、バンパイアってもっと陰気な印象だけどなー。
でもだからなのかな?村の中がお祭り気分っていうのか、物凄く賑やか。
少なくともサラダ村やレタス村よりも活気がある。
「あ!あれもしかして金魚すくい?うわー。小学生の頃やったなー」
目の前の水が入った入れ物の屋台に近づいてみる。
……違った。
金魚すくいじゃなかった。
これは……何?
「金魚って何よ?これはウーオって怪獣よ」
ジト目でバジルちゃんに言われたけど、物凄いブサイクな金魚。これがウーオの第一印象。
両目は大きくて口はたらこ唇。色は水色で鯉レベルにでかい。そしてなぜかカエルのような鳴き声を発している。
「これが怪獣?」
「怪獣の中には、ペットにできたり仲良くできる怪獣もいるんだよー。バンパイアとフェアリーは友好的な怪獣とは共生してるんだ。ウーオも共生してる怪獣だよ」
にこにこしながらルッコラ君が言う。
これは金魚すくいでもなければウーオすくいでもなかった。
屋台の店主のバンパイアが一緒に暮らしている怪獣だったのだ。
私からしたらペットに見えなくもないけど、一緒に生活してるんだしペットじゃないんだろうね。
「それよりもこの屋台は何を売ってるの?」
「狩った怪獣の肉の炙りだろ?」
さも当然のようにパクチー君が言うけど、そうなの?
よく見たらお肉が木の枝に突き刺さって火に炙られている。
「野蛮なバンパイアがしそうなことでしょ」
ふん。と面白くなさそうにバジルちゃんが言うけど、あちらこちらにある屋台のおしいそうな香りに釣られそうになってるから、本心は楽しんでるんだろうね。
それにしてもそっかー。怪獣の肉は食べれるのか。
「ねぇ!バンパイア村のこの雰囲気って絶対いい観光スポットになると思うの!バンパイア村と連携できたら、この出店や屋台をもっと大々的に売り出したいね!」
「いい考えね~でもそれはまだまだ先のことでしょ~?まずはフェアリー村に行くわよ~」
バンパイア村、またの名をお祭り村とでも呼ぼうかしら。
とりあえず私たちはお祭り気分のこの村の誘惑を断ち切りつつ、フェアリー村に入った。




