第二十一稿その1
私たちはサラダ村を出発した。
「ところであんたさぁ。聖剣がどこにあるのか知ってるの?」
バジルちゃんが聞いてくるけど、もちろん知らない。
「クレソンは知ってるよ~」
「えぇ!?ホントに?」
意外と近くにヒントがあった。
クレソンちゃんが言うにはフェアリー村の中に祀られているらしい。
それならバジルちゃんも知ってたはずでは?
「わ、私はほら。あんたと旅してたしね?」
ジロリとバジルちゃんを見ると慌てて言い訳をし始めた。
「バジルちゃんはフェアリー村を飛び出しちゃったからね~」
のほほんとクレソンちゃんが言うけど、そうだったのね。
「う。だってしょうがないじゃないー」
ムキーっとバジルちゃんがルッコラ君の耳を引っ張る。
どうやらルッコラ君の耳は、バジルちゃんのお気に入りになっているようね。
「何で村を飛び出したの?」
「うぇーん。勇者様ほんとに知らないのー?」
泣きながらルッコラ君が言ってるけど何が?
「バジルさんはフェアリーの王女だよー」
えぇ!?どういうこと??
「なによ。悪い?父親と母親とケンカして飛び出したら木の枝に引っかかっちゃったところをあんたが助けてくれたのよ」
私が驚いてバジルちゃんを見たら、バジルちゃんが照れくさそうにした。
そうなんだ?なるほどね。クレソンちゃんが言ってたフェアリーが私に借りがあるって王女を助けられたからか。
それにしてもバンパイアのルッコラ君がフェアリー村のことを知っているなんて意外だったわー。
「言っておくが、俺たちが住んでたバンパイア村とフェアリー村は隣同士だからな?」
私の表情を読んでパクチー君が教えてくれる。
そうなの?
「フェアリーとバンパイアは仲良く暮らしているのよ~。怪獣から村を守るための協力関係でもあるしね~」
相変わらずのんびりとした口調でクレソンちゃんが言う。
「怪獣?」
「そっかぁ~。パセリちゃんは知らないのか~。この世界には、人民掌握軍の他にも怪獣と呼ばれる生き物がいるのよ~」
怪獣って何?でっかくて町とかを破壊するあれ?ゴで始まってラで終わる3文字のあれ?
「その内分かるだろ。敵対する怪獣も容赦なく倒すからな」
パクチー君は相変わらずだけど、私が知る怪獣そのものだったらかなり巨大だよ?倒せる?
そんな不安を抱えながら私たちはアンパイア村に入った。




