第二十稿その1
私たちはサラダ村でしばしの休息を取っていた。
クレソンちゃんが妖精魔法を使って作物の成長を促してくれたおかげで、じゃが芋と小麦がすんなりと収穫ができて、次の分まで撒いた。
クレソンちゃんが言うには、あまり魔法に頼りすぎるのはよくないとかで、今回撒いた分は魔法を使わずに村の人の自力で育ててもらうことにした。
まぁ、何となく言ってることは分かる気がするから私もそれには反対しない。
それよりもいいことがあった。
「ついにレタス村がサラダ村と連携を組むことを承諾してくれたの!」
これで私たちは広大な土地を手に入れたも同然だ。
「勇者である私やパクチーの力を認めて貰ったみたい。この前のケルベロス部隊との戦闘が役に立ったみたいだね。」
「僕もバンパイア村が正式にサラダ村と連携を取るって約束を取り付けたよー。」
にこにこしながらルッコラ君が言う。
しょせんバンパイアよ!とバジルちゃんはちょっと不満そう。
そこで私たちは顔合わせも兼ねて、サラダ村の村長、レタス村の村長、バンパイア村の村長、そして私たちでちょっとした食事会をすることにした。
「パセリちゃん~。ここの交渉で失敗すればレタス村が割に合わない状況にもなるから気をつけてね~?」
クレソンちゃんが注意してくれるけど、交渉ってなに?
みんなで手を取り合って協力しましょう。じゃないの?
この食事会で私は現実というものを思い知らされた。
分かってはいたのに。
しょせん人間は自分の利益になることしか選ばない。
ということに。




