第十八稿その3
パクチーは掌握軍のヤイと戦っていた。
バンパイアの中でも特に高い身体能力と、数多くの血祭を覚えているパクチーの速度に反応したヤイの身体能力は、非常に高いと言える。
しかもパクチーの爪攻撃に指輪剣で十分に対応している。
「なるほど。俺は剣術に関してはそれなりの自信があったのだが、お前の前では俺の剣術もあまり意味をなさないようだな。」
ヤイがパクチーを賞賛する。
「握器:首飾りの重り(ウエイトネックレス)。」
そうヤイが唱えると、首に付けてた握器が反応した。
ヤイの首飾りが消えたかと思った瞬間、ヤイの上空から巨大な岩が出現した。
「!」
今ヤイの剣に爪を這わせるようにパクチーが近くにいる。
つまり、上空の大岩はヤイにだけでなくパクチーにもダメージを与える攻撃ということになる。
「この握器…自滅用なのか?」
岩に押しつぶされたパクチーが苦しそうに言う。
「まさか!俺の偉才に合ってるからに決まってるだろうが。偉才、傷の変換。」
ヤイが偉才を発動すると、ヤイのダメージが全てパクチーに移った。
「な…ん…だと…?」
ただでさえ大岩に押しつぶされたダメージはでかい。
その上、ヤイが受けていたダメージも背負うことになったパクチーは、単純に倍のダメージを受けたことになる。
ダメージでパクチーが動けないのを確認したヤイは、ふ。と小さな笑みを漏らして大岩をネックレスに戻して他の戦闘を確認した。
不利な戦闘に参加するつもりなのだ。




