第十五稿その2
まさかこうも簡単に仲間が増えるとはね。
戦略を練るのが上手なフェアリー、クレソンちゃんと攻撃特化のバンパイア、パクチー君かー。
私の作品には登場しないだけにどんなキャラか気になるなー。
「で、どっちから探しに行くわけ?」
当然私が紹介した方よね?と言わんばかりにバジルちゃんが聞いてくる。
「じゃ、じゃあ。バジルが紹介してくれるクレソンに会いに行こうか?」
苦笑いで私が言う。
ごめんねルッコラ君。本当は、突出した力の方が優先なんだけどね…
そんなわけで私たちはバジルちゃんの案内の元、クレソンちゃんがいるという場所に向かった。
驚いたことに、クレソンちゃんもパクチー君もレタス村から近い場所にいるという。
なんというご都合展開!
まぁ、2人の知り合いなんだから近くに住んでも不思議じゃないんだけど…ちょっとびっくりした。
その場所はというと、サラダ村とレタス村の間の林だった。
あのバジルちゃんが何度も木を運んでくれたあたりだ。
「クレソンには木を切るのを何度か手伝って貰ったんだ。」
さも当然とばかりにバジルちゃんが言うけど、そうなの?そういうことは早く言ってよ!
「それならお礼しなきゃじゃん!」
「はぁ?お礼ぃー?あんたばかぁ?」
はい出ましたー。バジルちゃんのあんたばかぁ?。
「でも手伝って貰ったならお礼くらいするでしょ?」
さも当然のように言うと、大きくため息をつかれた。何でよ!
「全く。あんたはほんと何にも分かってないわねー。」
やれやれと首を振られるけど、いや。分かるわけないよね?
「いい?クレソンはぶりっ子なの!お礼なんてしたらつけあがるだけでしょ?」
こんな事言わなきゃ分からないわけ?とか言ってるけど、分かるわけないしぶりっ子だからお礼をしなくてもいいなんて理由がまかり通るわけがない。
「と、とりあえず。仲間になってもらえるかどうかの確認をしてからにしたら?」
ルッコラ君が言うと、バジルちゃんの矛先はルッコラ君に向いた。
「そんなの分かってるわよ!」
まるで背後で、シャーって猫が怒っている声が聞こえてくるかのような怒り方をしている。
バジルちゃんは両手をヘビのような形にして挙げて、そのままルッコラ君の長い耳をまた引っ張り出した。
何であんたにそんなこと言われなきゃいけないのよぅ!とかなんとか言ってる。
まぁ、あの2人は放っておいてとりあえず先に行こう。
何だかんだ勝手について来てくれるしね。
「ここら辺にいるわよ。」
ある程度歩くとおもむろにバジルちゃんがそう言った。
なるほど。
確かに、サラダ村付近のようにまばらに木が生えている場所と違って、ここらへんは林って感じ程度に木が生えている。
「おーいクレソーン。」
大声でバジルちゃんが声をかけると、ちょっと遠くからはーい。と返事をする声が聞こえた。
パタパタとのんびり飛んできたこれまた可愛らしいフェアリーちゃん。
この子がクレソンちゃんね。
「きたきた。遅いのよあんたはいつも!」
そう言ってから、バジルちゃんが私たちのことを簡単に説明してくれる。
「なるほどね~。分かったよ!このクレソンちゃんが仲間になってあげる!」
やった!クレソンちゃん話しが分かるー!
ちょっとぶりっ子っぽいキャラだけど仲間になってくれるなら気にしないよね?
「ただし、ちょっとしたゲームでクレソンちゃんに勝てたらね?」
ん?ゲーム?
隣を見るとバジルちゃんが下を向きながらおでこに片手の平を当てている。
まるで、あちゃー。と言っているようにも見える。
「クレソンって、自分が認めた相手のことしか手伝わないんだよね…」
バジルちゃんが珍しく苦笑いしてる。
つまり、クレソンちゃんが出すゲームに勝たなきゃ仲間になって貰えないわけか…




