第十四稿その3
「人民掌握軍だー!」
私達が道を整備したからね。
この土地を奪おうって魂胆なんだろうけど、ちゃんと足止めするための小さな柵が所々に設置してある。
レタス村と大きく柵で囲むまでの間の防御壁だ。
村人もたくましい。弓矢や槍を持って柵の所まで来て戦おうとしている。
敵は北の街道から攻めてきている。西側に流れる川のせいで人民掌握軍は正面突破か東側のまばらに生えている木々の箇所から村に攻めるしかない。
「バジルとルッコラお願いできる?」
私が偵察を頼んだ。まばらにしか木は生えていないとはいえ、人間が偵察するにはリスクがある。
「はぁ?あんたばかぁ?」
また出ましたバジルちゃんのあんたばかぁ?が。
「このままこの村が襲われたら美味しいご飯とか食べれなくなっちゃうよ?」
私はここ数日でバジルちゃんの扱い方がかなり上手になってきていた。
まぁ私も美味しいご飯は食べたいし、せっかく作った作物が荒らされるのは嫌だからね。
「…まぁ美味しい食べ物のためならしょうがないわねぇ…パセリがそう言うならちゃっちゃっと偵察してくるよ!」
本当にバジルちゃんは現金な子だ。
あ、パセリってのは今の私の名前ね。
さてと。これで木々のところから攻められるのはこれで防げるでしょ。腐ってもフェアリーとバンパイアなんだし。
私は正面からくる敵を倒しますか。
「みんなは弓矢で援護をお願い!」
そう指示を出して私は正面から突っ込んでくる鎧を身につけたおっさんと対峙した。
「止まりなさい人民掌握軍!この地を荒らすことは許しません!」
聖盾を掲げながら私が叫ぶが、それで止まってはくれない。
仕方ない…殺したくはないけど、こっちも命がかかってるからね。
聖盾を掲げると私の体は白い膜で覆われた。
多分薄いバリアみたいなものだと勝手に思っている。
剣を構えて突っ込んでくるのを盾を当ててガードする。
ガギィーン!
金属と金属が当たる音が響き渡る。
そのまま盾を剣に押し当てたまま、おっさんを後ろに押す。
わお!パセリって力結構あるね。もしかして畑仕事とか街道整備で筋肉付いた?
「ぐ…勇者がこの村にいるという噂は本当だったのか…」
おっさんはそう言うと、退け―と全軍に号令を出して拠点まで退いて行った。
部隊長だったのかな?
何にしろ、とりあえずの危機は去った。




