第十三稿その2
私とバジルちゃんはレタス村まで歩いたりふわふわ飛んだりした。
川を越えると荒地ではあるものの、雑草とかが生えていることを考えるとそれなりの作物は育つのかもしれない。
そんなわけでサラダ村とは違ってレタス村はまずまずの発展をしていた。
家畜も飼ってるしね。
「とりあえず野菜の種と堆肥が必要かなー。」
ちょっとびくびくしながら私が言った理由は、レタス村に来るまでの間にさんざんバジルちゃんに罵られたから。
「それをサラダ村ってところに届ければいいわけね?」
そうなんだけど、本当に一緒についてくるのかなぁ?
「何よ?」
私が疑いと嫌悪の目でバジルちゃんを見ていたからか、またバジルちゃんのご機嫌が斜めになる。
「あ、いやー。バジルお腹すかない?」
機嫌を伺うかのように言うと、バジルちゃんは目をキラキラさせた。
「すいた!ご馳走してくれるの?」
「うん!いいよ。いこっか。」
手のひらを返すようなバジルちゃんだけどとっても可愛い。
良かった。バジルちゃんの機嫌を損ねなくて…
そう思ったのに…
私はお金を持っていないことを忘れていた。
「あんたばかぁ?」
ポンポンと頭を軽く叩かれながらバジルちゃんに馬鹿にされる。
「おぉーい。旅のお方やー。」
食事を摂ろうとしたごはん屋さんのおばちゃんが追いかけてきた。
「もしも私の依頼を聞いてくれるなら、ご飯をご馳走してあげるけどどうだ?」
願ってもない。
私とバジルちゃんはごはん屋のおばちゃんの依頼を引き受ける代わりに、ご飯をご馳走してもらった。
依頼の内容は私が描いたラノベの通り。
人民掌握軍が各地を占領してて、とりあえずレタス村付近の拠点を解放するというもの。
「この村に代々伝わる迷信があるんだが。」
最後におばちゃんはそう前置きをして付け足した。
「聖盾と呼ばれるアイテムを扱える者が現れし時、その者勇者として世界を変えると言われています。パセリさん、よかったら盾を使ってみませんか?」
そう言われた私は、聖盾が納められている蔵に向かった。
ここで聖盾を手に入れるんだったね。
上手に扱うってホーリーシールドガードを使うことかな?
それなら勇者の必殺技の1つとして設定したけど。
蔵には無造作に聖盾が置かれていた。
勇者の装備の1つがぞんざいな扱いを受けてるよ…
「よいしょと。」
盾の取っ手を掴んで持ち上げる。
意外と重い。
「あんた意外と力あるんだ?」
バジルちゃんが私を見直す。
「これでも勇者だからね?さてと、目的の拠点はこの村から10分のところだったよね?」
「そうよ。言っておくけど私は妖精魔法しか使えないからね?」
なぜかバジルちゃんは威張ってる。
「ねぇ!あそこじゃない?あの柵で囲まれた場所。」
バジルちゃんが指さす方向には、確かに柵で囲まれた陣地みたいなのが3つ4つあった。
「あの陣地みたいのをレタス村のものにすれば、あの拠点はレタス村のものになるってことだよね?」
私がバジルちゃんに確認すると、バジルちゃんも頷いた。
よーし、ちゃっちゃと人民掌握軍を倒しちゃいますかー!こいつらは私の設定では独裁者だしね。
「でやぁぁぁぁぁー!」
盾を構えたまま私は陣地の1つに突っ込んだ。




