第十二稿その4
さてと…畑仕事なんてしたことないけどどうしたらいいのだろう?
「旅のお方。これをこうするんですよ。」
おばあさんが上手に桑を使って荒地を耕している。
なぁーる。
でもさ、この荒地めっちゃ硬いよ?私こう見えても力ないんだよ?
異世界に来てパワーアップしてるかもしれないけど、でもやっぱり不安だよー。
ふんっ!
「ガキン!」
「いったぁー。」
ほらね?やっぱりそこまで力は強くなってない。
そりゃそうだよ。だって別に力で戦う勇者じゃないもん。
「もう少し腰を入れるといいかもしれないですね。」
優しく言われるけどさぁ、別に私農業を習いたいわけじゃないんだよね。
…あれ?
「あの、おばあさん。畑を作るのはいいんですけど、野菜の種とかってあるんですか?」
「実はですね。畑を作るのには時間がかかります。種はどこからか仕入れるしかないのですが、近くてもレタス村まで行かなければなりません。旅のお方、畑をある程度作ったらそこで種を買ってきて貰えますか?」
なるほどね。そうやって私が描いたラノベとストーリーが同じになるわけか。
私が描いたラノベは、川でイベントが発生してそのままレタス村へ行く感じだったけど、この方が説得力があるね。
「いいですよ。畑がある程度形になったらレタス村へ行きますね!」
よーし!やる気出てきたよー。
そうと決まれば私はサクサクと畑仕事をするよー。腰を入れて土に桑を入れていく。かなり重労働だけどね…頑張るよ…がんば…る…よ…
…
無理だー!
元々デブスの私にこの重労働は耐えらんない!ごめんおばあさん。こんな私を許しておくれ。
「お疲れですか?旅のお方。」
おばあさんが優しく言ってくる。お茶まで入れてくれた。
「畑を作るのって大変ですね。」
「旅のお方が少しでも桑を入れてくれたので、土が多少柔らかくなりました。腐葉土や堆肥を混ぜれば更に柔らかくなるので、種を買うついでにそれもお願いできますか?」
「いいですよー。私がいた世界だと機械を使って簡単に畑を耕しちゃうんですけど、この世界にはそういうのなさそうですね。」
「遠くの町には機械工学が発展したという噂もありますが、こんなへんぴな場所ではそういったものもありませんね。」
少し悲しそうにおばあさんが言う。
うーん。いいのかわからないけど、似たようなものなら作れそうじゃない?
荒地に岩と木はあるわけだから、丸い岩を転がしたりすれば少しでも土が柔らかくなりそうじゃん?
そこで私は、おばあさんにモノ作りの達人を紹介してもらうことにした。




