第十稿その3
大雨で水溜りができた道は滑りやすく、突風で煽られるとさっきよりも落ちやすくなった。
といってもさっきと変わらない戦法で簡単に攻略できちゃうんだけどね。
だからきっと…
「これ以外に何かあるはずだから注意してね!」
前方の2人に注意を促す。
そう。これだけで終わるわけがない。
絶対に何かあるはず!
…なんだけど…
あれ?本当にただ雨が降ってるだけ?
いやいやいや。油断させておいて何か仕掛ける可能性もあるよね?
「なんか…何もないな?」
暴風雨のエリアを突破してしまったナポリタンが拍子抜けっぽい言い方をする。
悪かったね。どうせ何もなかったよ。
だからお願い。カラアゲさん、そんな憐れむような目で見ないで!めっちゃ恥ずいから!
「無事に抜けられてよかったな。」
ポンと肩を叩かないでぇー!恥ずかしい~。
「さてと…この先はマジでやべぇな…」
真面目な顔してナポリタンが言うけどそんなにヤバいの?私のラノベにはない展開だけど?
「この先って?どれどれ。」
ひょこっとナポリタンの横から顔を覗かせてみる。
「あ、おい。」
ナポリタンが慌てて私を体ごと後ろに引っ張る。
瞬間、業火が目の前を横切った。
あっぶなー。カラアゲさんの巨体で炎が見えなかった…
「大丈夫か?」
「スマン。俺の体で見えなかったのだろう?」
慌てて私の心配をするナポリタンと私に素直に謝るカラアゲさん。
ほんといい人だねこの2人は。
「こんなエリア知らないよ…」
ポツリと呟く。
「多分、雷と同じだろう。」
カラアゲさんが私の呟きに返事をする。
え?ちょっと待って。今の私の呟きが聞こえた?おかしいって思わない?怪しくない?
ドギマギしてカラアゲさんを見るけど、もうカラアゲさんは前方に集中している。
気が付かないフリなのか聞こえなかったのかどっちなんだろう?
それとも魔王を倒した後に私をとっちめるとか?
「ほら行くぞ。」
悩んでいると、私を元気づけるようにナポリタンが私に言う。
とりあえず今は目の前のことに集中しよう。




