第八稿その5
ショックな言葉を聞いたけどとりあえず気にしないでおこう。
そう思っていたのに…
ハングレは本当に私が想像していた不良そのものだった。
「今日こそ夜叉を全滅させてやる!」
驚いた…人の言葉を話すモンスターなんて…
「話せるってことはそれだけ知能が高いということだ。」
とカラアゲさんが警告した。
「行くぞ野郎ども!夜叉を全滅させて悪名の旗揚げだ!」
5匹くらいのハングレは私たちに気づかずにずんずん進んで行った。
「戦闘しないに越したことはない。少しここで様子をみよう。」
そうカラアゲさんが提案した矢先、さっきの集団とは別のハングレ5匹に見つかった。
「悪名の連中がやって来るかと思ったが…勇者たちとはな…夜叉の名を上げるために死んでもらう!」
占い野郎の言った通りだ。
問答無用に攻撃を仕掛けてきた。
手に持つこん棒を振り上げて私に向かってくる。
そういえば私は魔法以外の戦闘方法を知らない…
「危ないアヤメ!」
私を突き飛ばしてナポリタンが盾でこん棒をガードする。
「てんめぇー!」
もう片方の手に細剣を握り、横殴りに振って1匹を倒す。
もう1匹もカラアゲさんが倒している。
さっすがはこの2人。強いね!
「おいおいおい。誰と遊んでんだ?夜叉さんよぉー。」
私の背後から声がする。
夜叉に所属する残り3匹のハングレの目つきが変わった。
「こんな時に悪名かよ…」
べっと地面に唾を吐いた3匹の内の1匹が私の背後にいる、さっき見かけた悪名に所属する5匹のハングレに向かった。
「夜叉の死神か…囲え!」
5匹の内の1匹が命令すると、突っ込んでいった1匹は5匹に囲まれた。
しかし1匹で攻撃を仕掛けた方が実力は上のようで、あっという間に2匹を殴り飛ばした。
飛ばされた1匹が私の近くで崩れた。
ハングレは完全に私たちを忘れているかのように、夜叉というチームと悪名というチームの戦いになっていた。
「いくぞ。」
私の手をカラアゲさんが引く。
そうだよね。私たちがここに留まる理由なんてないし。
そう思った瞬間、脇腹に鋭い痛みが走った。
「え?…」
一瞬何をされたのか分からなかった。
気が付いた時には私は地面に横たわっていた。
その時、さっき私の近くで崩れたハングレが私をナイフで刺したのだと気が付いた。
ナポリタンが何か叫んでいるけど私にはよく聞こえない。
カラアゲさんも鬼の形相をしている…
でも…何も考えられない。
そのまま私は気を失った。




