第七稿その4
広さはないけど人の数が多い音楽都市で、破壊工作をしようとしている人を探すのは困難だった。
私の感覚・予測では今夜やつらは動く。
なんてかっこつけてるけど根拠はないよ。ただの勘。
デブスな私も腐っても女!女の勘ってやつよ。
さてと。怪しいやつを探すには私の理論ではキョロキョロしていると思うんだよね。
とはいえそんなあからさまな奴がいるわけ…
居た…
明らかに挙動不審な男女2人組…
何でこんなに分かりやすいのかは分からないけど、今の私には理由は関係ない。
「ちょっとそこの2人。」
普段自分から見ず知らずの人に声をかけることなんてまずあり得ない。
でも今は緊急事態。
この都市を燃やされるわけにはいかない。
「?勇者殿ではありませんか!」
ではありませんか!じゃないよ!あんたら今この都市を燃やそうとしてるでしょ!
まぁそんなこと聞けるわけもないし…とりあえず
「こんなところで奇遇だね。何してんの?」
取り繕った笑顔も顔面に貼っつけてやる。このイケメンフェイスならキモくないしね。普段の私の顔なら吐き気を催すだろうね。
「何って散歩ですよ?」
男が答えて、なぁ?と隣の女に同意を促す。
促された女も、そうです。なんて言ってるけどそれがまた怪しすぎるよね。
慌ててるというかなんというかさ。
「そうなんだ?僕もこの町にさっき着いたばかりでさ、よかったら一緒にこの町を回らない?邪魔かな?」
見た目にはこの2人、デートに見えなくもない。念のために邪魔かどうかの確認も怠らない。
「邪魔だなんてとんでもない!ぜひご一緒しましょう!」
あ、いいの?もう少し断られるかと思ったけどよかったぁ。
なんにしてもこれでこの都市が燃やされることはないね。私がこの2人に巻かれなければ。
そう思っていたのに…何で?
私が今いる場所とは全く違うところから火の手が上がっている。
「行かなきゃ!」
それだけ言い残して私は火の手が上がった場所に向かった。
これが間違いだと気づけもせずに…




