第六稿その2
芸術の町――
「うっっわー!」
ナポリタンにしては珍しい黄色い声を上げる。
まぁそんな声も出ますわな。
おしゃれな装飾が施された門、広場の中央には噴水、町の至る所に設置された花壇と色とりどりの花。そして色んな箇所から色んなジャンルの音楽が流れてくる。
「俺とアヤメは役場に行ってくる。ナポリタン、その間は自由に行動していろ。夜に宿で落ち合おう。」
そう言ってカラアゲさんは私を引きずってドスドス歩き出した。
え?ちょっとと言いながら戸惑うナポリタンを置いてけぼりにして。
後ろに引きずられながら私は、笑顔でナポリタンに手を振った。
「自分で歩け!」
ピシャリとカラアゲさんに怒られた。
「役場はどこだ?」
3つ目の噴水広場までやって来てカラアゲさんが言う。
この町は広すぎる。
門入り口付近の1つ目の噴水広場には、花壇がメインで飾られていた。
近くのショップもお花関係のショップが目立った。ワゴンの花売りから生け花教室、生け花の展示にドライフラワーやフラワーアレンジメントの展示、ガーデニング教室にガーデニング用品ショップなどなど。
色んなお花の香りが私の鼻をくすぐった。
このエリアでは吹奏楽器による演奏が流れている。
隣のエリアは2つ目の噴水広場で、水関係のエリアだった。
中央の巨大噴水にまるで連動しているかのような小さな噴水が周りを取り囲んでいる。
加えて様々な色のライトとクラシック音楽が流れている。
小さなアクアリウムから大きな水槽に入った魚たちまでたくさんの魚も魅力的。
ショップには、飲み物やかき氷屋、熱帯魚関連のお店が多かった。
飲食店が多い印象だ。
2つ目のエリアからは左右に行けるようになっていて、私たちは右のエリアを選んだ。左はナポリタンが好きそうな絵がたくさん並べられていたから避けた。
「鎧とかが多いですねー。」
このエリアは剣や鎧、銅像などがところどころに並べられていた。
流れる音楽はポップス。たまに歌も聞こえる。
「職人が丹精込めて作った品々が並べてあるのだろう。」
1つの鎧を品定めするような目で見ながらカラアゲさんが言う。
「お店の人に聞いてみますか?」
お店に入りたそうな顔をしているカラアゲさんにそう提案してみた。
「何?う、む。まぁ。コホン。そうだな。店の者に聞いてみるとしよう。」
わざとらしい咳払いで誤魔化そうとしている。
そういえばナポリタンもそうだけど、カラアゲさんもだいぶ最初の頃とは印象が変わったなー。
最初は堅物で融通が利かない人ってイメージだったけど、一緒に旅して分かったことは、意外と融通が利く。硬派だけど情にもろくてでも情に厚い。筋を通さないことが嫌い。
自分の好きなことは真っ先にやりたい子供みたいな部分もある。
武具マニアって言うのかな?
今もほら、ウキウキしながら目の前の武器屋に入ろうとしている。
「どうしたアヤメ?早く来い。」
手招きまでしちゃってもう。意外と可愛いところあるよね。
「はーい。」




