第五稿その2
炭鉱の町かー。
私のイメージは殺風景な町って印象なんだよね。
確かに私が描いた小説には、町の雰囲気とか描いてないよ。
でもさ、自然いっぱいで住人も活気に満ちてるって何?私のイメージと全然違うんだけど!
そっかー。町の雰囲気とかもちゃんと書かないと読者には伝わらないのかー。
次からは気をつけようっと。
「活気に満ちているな。」
カラアゲさんが私と同じ感想を述べた。
そう。そうなんだよ。住人もそうなんだけど、町そのものが元気いっぱいって感じ。
「ここで少しゆっくりするのもありっすよね!」
なんてナポリタンが言ってるけど、堅物のカラアゲさんがそんなの許すわけがない。
「うむ。そうだな。こういう活気のある町は俺も好きだ。」
あれぇー?許しちゃったよー。魔王を倒しに行くんじゃなかったのー?
私が描いたラノベだとどうだったっけ?
あぁそうか。カラアゲさんとナポリタンがゆっくり滞在しようとするのを、勇者が急がせるんだ。
でもなぁー。2人の気持ち、分からなくはない。
この雰囲気。私も好きだもん。
「あ、あのー。」
渋々声をかける。
「「ん?」」
2人が同時に振り向く。
ここで私はふと思った。
もし、私が自分で描いたラノベ通りのことをしなかったら、どうなるんだろう?
「あ、いや。ここ、いい町ですよね!」
好奇心に勝てず、私は自分が描いたのとは違うストーリー展開をさせてみた。
ここからは、先が分からないハラハラドキドキの異世界転生が待っているはず!
胸に期待を膨らませて、私は炭鉱の町名物という温泉へ向かった。
カラアゲさんは酒場(この人暇さえあればお酒を飲んでる気がする)。
ナポリタンは女漁りに向かった(この男はまったく)。




