第四稿その6
街に戻った私たちは、幕の内さんから<ドラゴバスター>を借りた。
幕の内さんがカラアゲさんの知人ということもあるけど、あまりにも大きな剣だったこともあって、カラアゲさんが扱うことに自然と決まった。
この街は本当に綺麗な星空が見れる。
多くない家々のおかげで、星の明かりはより煌めいて見えた。
「ほぁー。」
天を仰ぐとは正にこのことを言うのだろう。
星降りの丘で大の字に寝そべって星空を眺めるのは、意外といいものだ。元の世界に戻ったら、夜景が綺麗なところと合わせて星空も見に行ってみようかな。
空気も澄んでる。まるで冬場の空気のような、そんな感じ。
「アヤメ。」
ナポリタンが声をかけてくる。
私が1人の時いつもこの人が傍にいる気がする。
「空が綺麗でつい。」
そう言うとナポリタンも、ほんとだと言って星空を見上げた。
……うーむ。
もしもだよ?もしも今の私が女だったなら、これは実はいい雰囲気というやつなのでは?
もちろんナポリタンは私のタイプではないけれど、タイプかタイプじゃないかではなく、単純にこの状況はいい雰囲気に見えなくもない。
恋愛経験のない私にはよく分からないけど、普通こういう星空を見に来たりするのって男女のカップルがするものなんじゃないの?
クリスマスとかバレンタインとかそういうイベントと同じで、カップル限定的な感じじゃないの?
私たちは今男同士なわけで、男が2人して星空を眺めてたらどうよ?変だよね?BL好きにしかウケないよね?
「どうかしたの?」
何も言わずに、ただ隣で星空を見上げるだけのナポリタンに私は訊ねた。
理由が特にあるわけじゃないんだけど、何か話があるような気がしたのだ。
「あぁ…」
?何だろ?なんか珍しい気がする。
いつも誰とでも気さくに話すのがナポリタンのはず。
私が書いたラノベでも、こんな風に何かを言いにくそうにする仕草なんてしない。
何か大事な話だろうか?と言ってもストーリーには関係ないことは分かるけど。
「あのさ…アヤメって」
「ダメだって。」
「いいじゃん。」
ナポリタンが話そうとした時に、カップルの話し声がした。
「いや…何でもない。」
そう言ってナポリタンは去ってしまった。
なんだ?気になるなぁーもう。私に関することだよね?何だろう?
途中で話をやめられると凄く気になるなー。
あぁーもう!
それにしてもあのカップルが来なければ、ナポリタンが話しをやめることもなかっただろうにぃー。これだから空気を読めないバカップルはー。
そこでふと私は気づいた。
よく見たら周りはカップルだらけだった。
あぁ…ここもいわゆるカップル限定の恋愛スポットだったんだ…
これはひがみじゃない。
妬みでもない。
羨ましくもない。
でもね、私はやっぱりカップルが嫌いだ!
久しぶりの言葉かもしれないけれど…
リア充爆発しろ!




