第三稿その2
港のある町で私が憂鬱になった道中にある出来事が発生してしまった。
でも羊が多い村ってキーワードを聞いて、そっちで起こる出来事の方がヤバいことを思い出した。
それに比べたらこのイベントは大したことはない。
そう。私は今男だしナポリタンはいわばNPC。
たとえこれが私のファーストキスだとしてもそれは回数に入らないはず!
もとはと言えばこの人が悪いんだし。
「な!なんでそんなところにアヤメがいるんだよ!オレに男とキスする趣味はねーぞ!」
ナポリタンが躓いた先に私がいて、偶然キスされる。
ベタな展開だ。実にベタな展開だった。
でも、私は描いた。何となくイケメン主人公の勇者と、チャラ男のカップリングが見たくなって何となく描いた。
特に意味もなく。
それがまさか自分に降りかかってくるとは…
「こっ!こっちだって!」
そう言い返したものの、中身は女よ。しかもファーストキスよ?相手がいくら自分の守備範囲外のチャラ男だとしても意識しないわけにはいかなくなる。
しかもこの人、見た目と違って優しいところがある。
例えばほら、山の向こうの都市に向かうまでの山道とかさ、足場が悪くなってるところとか、手を引っ張ってくれたり(「アヤメは細いからオレが引っ張ってやるよ。遅れるとカラアゲさんに怒られるのオレだしな。」)、私が山の向こうの都市でヤンキーに絡まれてる時も助けてくれた(「偶然通りかかったらアヤメ絡まれてやんの!」)。
からかわれてるだけなのか、本当に偶然なのか、自分のためなのか分からないけど、見た目ほど嫌な奴じゃないのかもしれない。
「だいたいなぁ!いつもいつもぼーっとしてるからオレがカラアゲさんに怒られるんだぞ?君は俺の舎弟みたいなもんなんだから、オレに迷惑をかけんなよ?」
いややっぱ嫌な奴だ!
でもこの先の出来事を考えるとほんと、こんなイベント大したことないんだよね…
こっそりと私はため息をついた。




