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九州大学文藝部・2021年度・学祭号

星が綺麗ですね

作者: 水咲まつり

触れる指先に心踊れど

あなただから、なんて確証ありはしない

なりそこないの感情に

代替品みたいな名前をつけて

後生大事に匿っていた

錯覚さえも許せなかったから

たとえ生きる時代が違ったって

きっと何も変わらないね

迷うことすらおぞましい

事実の創生に恐怖した

引き返せると思っているのよ

どうしようもない悪あがき



疾うに忘れた記憶の破片が

時を超えて胸を刺す

いつかの日のまま

消えてくれれば良かったものを

夢見がちな少女の願望

咲いた途端に散ってしまうのね

あなたに嫌われる覚悟なんてあるわけないから

極彩色の美辞麗句を

モノクロームの中嘯いた

上手に笑えていたかしら?

私、いつでも嘘を吐いていたわ



愛を愛するあなたのことを

残酷と評する私だって

綺麗な言葉を使っていたし

透明な世界で生きていた

私を置いていかないで?

そもそも、隣り合ったことすらあったでしょうか

絡み絡まる色たちは

いつかさっぱり解けるのかな

耳から離れたイヤリング

気づかず消えた青色に

寂寥の方が強くなるのは



概念ばかりが肥大する



漸く手に入れた諦観は

決して風化なんかではありはしなくて

永遠を喪った私たちへの

救いようのない慰めでした



自己愛と幻想の狭間で



どうかどうか咲ってほしい

愚かなまでの執心を


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