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14.団体戦⑧ 決勝戦-2

 スバルによって追い詰められたシャノンは、攻撃を受ける一方であった。

 受ける一方と言っても、当然無傷では無い。

 スバルの剣によるダメージが粛々と蓄積されていた。


 そして、前世で絶対的な力を誇っていたシャノンの足元がぐらつき始めたのだ。


「これは……」


 シャノンは疑問に思い、何かを口にしようとした……だが、そこで再びスバルの剣閃が飛び出てくる。


「何をブツブツ独り言を言っているんだ、シャノン!

 お前の力は、そんなモノか!」


 スバルがシャノンに対し、力強く語りかけた。


 実の所、スバルは初めから気付いていたのだ。

 シャノンは全力を出していない、と。


 それに対しては、シャノンも同じである。

 先程彼が疑問に思ったことと言えば、正にその事であった。

 スバルは本気を出していないのではないか? と。


 しかし、シャノンの魔力量が尽き掛けているのは紛れも無い事実であった。


 それに、シャノンの体は筋力も少なく、体力も無い。スバルの剣戟をこれでもかと食らったのだから、普通であれば、もう立つことすらままならないであろう。

 その上、シャノンは魔力量が尽きかけているのだから。


 だが、シャノンは未だ膝を地面につかずに立ち続けていた。

 ……そう。シャノンは確かに余力を残していたのだ。


 スバルの先程の言葉を受け、シャノンは僅かに口角を上げて答える。


「……ほう。俺が全力を出していない事に気付いていたのか。やるではないか」


「それくらい、造作もないさ。君からは尋常ではない程の力を感じるのでね!」


「なに、貴様も全力を出していないのであろう、スバルよ? バレバレであるぞ。もしそれが全力と言うのであれば、到底俺に勝てる筈が無いのでな」


「……な、なんだと……!?」


 驚愕した様子を顔に浮かべたスバルは、シャノンに向けていた剣を離し、シャノンと距離を取った。


「相手の力に合わせる方が、ギリギリで楽しいであろう。なに、今からは全力を出すと良い。相手をしてやろう」


 その言葉を聞いたスバルは、戦慄していた。

 ……彼は、始めから既に全力だったのだ。

 その彼の全力を、シャノンによって否定されたも同然であった。


 剣士として、何たる屈辱か。だがしかし、そんな屈辱を恐怖が上回る。

 剣を構えるスバルの両手は、プルプルと震え始めていた。


「……ふむ。やはりここは、俺も剣で戦うとしよう。実の所、あまり剣は好かぬのだがな」


「け、剣まで扱えるだと……!?」


「そんなに驚く事は無かろう。なに、俺の剣は赤子同然だ。優しく頼むよ」


 そう言うや否や、シャノンの右手側に次元の穴が開かれ、シャノンは徐ろにそこに右腕を突っ込んだ。


「ディメンション・ゲート!」


 シャノンの次元魔法であった。

 現在居る次元と異次元を繋ぐ魔法である。

 残り少ない魔力を使用したのである。


 シャノンは次元の扉から、剣を取り出した。

 その剣は、何とも言葉に出来ない程おぞましい妖気を発していた。


「これは、俺がかつて使っていたものでな。使っていたと言っても、数回しか使った事は無いのだかな。ハッハッハ!」


 世界でも存在する数が限られていると言われる、魔剣であった。


「お、お前……その剣は……!?」


 スバルが更に驚いた顔を見せ、言った。


「なんだ、欲しいのか? ならば、俺に勝てたならくれてやろう。ハッハッハ!」


 まるでスバルをおちょくるかの様に、シャノンは言った。


「……ほ、ほざけぇー!!」


 シャノンの言葉に触発され、怒り狂ったスバルは、震えていた両手を沈め、再びシャノンに襲いかかった。


「ふむ、第二ラウンド、と言ったところか?」


 かくして、シャノン対スバルの、剣を用いた勝負が始まった。

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