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【百合】同級生のふわふわ美少女に陰キャな私が迫られる話  作者: 昨日のメロン
付き合った後の2人がイチャつく話~高3編~
9/17

2月「バレンタイン」

高2の2月のお話。

赤松さんと付き合ってから、初めてのバレンタイン。


生まれてこの方、友チョコすらしたことがない私が、いきなり本命チョコを作ることになってしまった。

〝バレンタイン 初心者〟で検索したところ、どうやらトリュフなるものが失敗しづらいらしい。


…トリュフにしよう。


潔くザッハトルテだのマカロンだのを諦めた私は、材料調達に街へ繰り出した。



◻️◻️◻️



「まぁ、こんなもんかな…」


ラッピングも終わり、私は椅子の上で一息つく。

初めてにしては、中々上手くいったと思う。


「あー…片付けめんどくさー…」


世の中の女子は、こんな面倒なことを毎年していたのか。


義理チョコなんて文化は滅んだ方がいいんじゃないか?

好きでもない人にここまでの労力をかけるのって苦痛じゃない?


そこまで考えて、「あぁ、自分は赤松さんのことが好きなんだな」と再確認してしまい。


1人頬を赤くする私なのであった。



◻️◻️◻️



バレンタイン当日。


赤松さんの家にお呼ばれした私は、緊張しながらインターフォンを押した。


ピンポーン…。


「いらっしゃーい!」

「お、おじゃまします」


出迎えてくれた、赤松さんの笑顔が眩しい。


付き合ってから半年近く経つけれど、未だにこの輝きには慣れない。


「入って入って。リビングに用意してあるから」

「わ、わかった」


用意?何をだろう。

お茶とかかな。ありがたいな。


「ちょっと、作りすぎちゃったんだけど…」


_リビングで私を待ち受けていたのは、チョコレートの3段ケーキだった。


「森丘さんと付き合って初めてのバレンタインだったから、張り切っちゃった」


えへへ、と恥ずかしそうに笑う赤松さんは可愛い。


可愛い、けどっ…!

こんな凄いもの見せられた後に、私のショボい手作りなんか渡せないよ!


「す、すごい…」

「ありがと」


あ、コレ、多分今私も渡す流れだ。


どうしよう…。

私なりに頑張ったけれど、ガッカリされてしまうかもしれない。


…失敗したことにしてしまおうか。


後で、市販の美味しいチョコレートを渡せばいい。

むしろ、その方が赤松さんも喜ぶだろう。


「あの、赤松さん、その…」

「?」

「私も手作りしたんだけど、…失敗しちゃって」


だから今日、持ってきてないんだ。

そこまで言って、恐る恐る赤松さんの顔を見た。


「そっか」


赤松さんは一瞬だけ悲しそうな顔をしたけれど、すぐにいつもの明るい笑顔に戻った。


「私のために頑張ってくれてありがとう。気持ちが嬉しいよ」


…あぁ。

なんて、優しい人なんだろう。


〝作ったけれど失敗した〟なんて、〝 宿題したけど持ってくるの忘れました〟並に信憑性が低いのに。


もしかしたら今、赤松さんは傷ついているのかもしれないのに。

私は、何をやっているんだ。


「ごめん、赤松さん」

「ううん、謝らなくて大丈夫だよ」

「違うの。…本当は、作ってきたんだ」


鞄から、昨日作ったトリュフを取り出す。


赤松さんのケーキに比べたら単純なレシピだし、不慣れなラッピングはリボンが縦になってしまっている。

だけど、こんなに優しい人に…自分の保身の為だけに、嘘をつきたくない。


「赤松さんのケーキに比べたら、ガッカリされちゃうかもしれないけど…」

「そんなことないよ」


赤松さんは私のトリュフを受け取り、いつもの倍キラキラした笑顔で言った。


「ありがとう!凄く嬉しい!」


嬉しそうにラッピング袋を眺める姿を見て、ほっと安心する。


バカだな、私。


〝気持ちが嬉しい〟って言うような赤松さんが、ガッカリするはずなかったんだ。


「じゃあ、お互い食べよっか。座ろ?」

「うん」


そういえば、立ったままだった。


椅子に座り、ケーキの置かれたテーブルを挟んで赤松さんと向き合う。


「ケーキ取り分けるね」

「あ、ありがとう…その前に、写真撮ってもいいかな」

「え、うん…何か照れちゃうな」


はにかみ笑いをする赤松さん。

可愛い。赤松さんも一緒に写真に撮りたいくらいだ。


パシャリ、と1枚写真を撮り、密かに待ち受けに設定した。


ケーキを取り分け、2人とも手を合わせる。


「「いただきます」」


1口食べようとしたところで、赤松さんにストップをかけられた。


「待って」

「?」

「森丘さん」

「えっ」


スッと口の前に差し出されたのは、1口分のケーキが刺さった、赤松さんのフォーク。

こ、これはまさか…俗に言う…。


「あーん」


あーんってやつですか?!


「え、あ、う…」

「ほら、口開けて」


ね?と小首を傾げる赤松さん。

…覚悟を、決めるしかないのか。


可愛さの圧に負け、私はゆっくりと口を開いた。


「美味しい?」

「美味しいです…」


美味しい。確かに美味しいんだけど。

顔の熱がとんでもない速度で上がってます!


「可愛い」

「っ…!」


そんなに愛おしそうな目で見つめられたら…

…頬の熱が冷めるのが、もっと後になってしまう!


「た、食べよっ」

「はーい」


クスクスと笑った赤松さん。

何だか私ばかり翻弄されてる気がする。


「赤松さん」

「何?…え」


私も、負けじと自分のフォークを赤松さんの口の前に差し出した。

勿論、1口分のケーキを刺して。


「…いただきます」


赤松さんがパクリ、とフォークをくわえた。


「美味しい?」

「…うん…」


赤松さんが、少し照れたように上目遣いで見つめてくる。

やばい、私も恥ずかしくなってきた。


「…。」

「…。」


2人で頬を赤くして、向き合っているこの状況。

照れくさいような、むず痒いような空気が流れる。



…まぁ、でも…


…それも悪くないかなぁなんて、思うのだった。

ここまでお読み頂きありがとうございます!

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▼百合短編書きました▲

【百合】レズ活したら、失恋した美少女幼馴染と同じ顔が来た

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