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【百合】同級生のふわふわ美少女に陰キャな私が迫られる話  作者: 昨日のメロン
付き合った後の2人がイチャつく話~高3編~
13/17

6月「ジューンブライドと梅雨」

6月の、ある日曜日。


私_森丘佳南はリビングのソファでゴロゴロしながら、ボーッとテレビを見つめていた。


『幸せが、動き出したら。ゼクシィ』


テレビから流れてきた音声に、ぼけーっとした脳内で妄想が始まった。


…結婚かー。


赤松さんのウェディングドレス、めちゃくちゃ可愛いだろうな。


いや、和装も絶対可愛い。

白無垢とか着たら、雪の妖精みたいになるんじゃないだろうか。


…どっちも見たいなー…。


…。


……。


………。


……ぐー…。






次の日の月曜日。


昇降口の前で、私と赤松さんは2人並んで突っ立っていた。


「うわー…雨降ってる。朝は晴れてたのに」

「梅雨だもんね。森丘さん、傘ある?」


無いです。

梅雨なのに置き傘すらない無能です。


「ごめん、無い…」

「私の傘、入る? ちょっと狭いけど」

「え、いいの!?」

「もちろん」


にこっと笑った赤松さん。

え、いいの…? だってそれってつまり…。


相合傘、なんですけども…!!


「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」

「はーい」


どもった私、大分キモいな。


赤松さんの優しさに甘え、私は彼女の花柄の傘に入れてもらうことになったのだった__




__そして、今。


赤松さんと、1つ傘の下。


「ごめんね、狭いよね」

「いや全然! 入れてもらえるだけで十分だよ!」


赤松さんの傘を持ちつつ、私は焦ってフォローをした。


私の方が背が高いのもある(赤松さんは150cm位で、私は167cmだ)けれど、せめて傘くらいは持たせてくれと頼んだ。


雨の降る住宅街を歩きながら、私と赤松さんは相合傘をしている。


「森丘さんの肩、濡れてない? 私の方に傾けてくれてるんじゃ…」

「濡れてないよ。大丈夫」


本当は、バチバチに濡れてるけど。


赤松さんのためなら、これ位は屁でもない。


っていうか、傘に入れてもらって相手の肩を濡らすとかクソの骨頂でしかないし。


「ごめんね、ありがとう」

「…ううん」


赤松さんが、申し訳なさそうに笑った。

その笑顔を見て、私は複雑な気持ちになる。


赤松さんは、人の表情の変化やちょっとした行動にすぐ気づく。


その観察力が彼女の細やかな気遣いに繋がっているんだけれど、私はそれに少し心配になる時がある。


よく気づく繊細な人ほど、壊れやすいようにこの世は出来ている気がするから。


「赤松さん」

「何?」

「愚痴とかあったら、いつでも聞くからね」

「どうしたの? 突然」

「いや何か…赤松さんって悩みとか溜め込みそうだし…ほら、受験ってストレス溜まるし…」


しどろもどろに言い始めた私に、赤松さんがクスクス笑った。


「ふふ、ありがとう。今度聞いてもらおうかな」

「う、うん。いつでも。何でも聞くよ」


可笑しそうに笑う赤松さんの笑顔は、さっきの申し訳そうな表情と違って明るかった。

それにほっと安心する。


恐らく私は鈍感な方だ。

人の感情の機微に疎いし、正直他人に興味もない。


…でも、「彼女の助けになりたい」とは心から思えるんだ。


彼女が辛い時には、傍にいたい。

もちろん楽しい時も、悲しい時も、いつでも。


「森丘さん」

「ん?」

「いつも、ありがとね」

「…こちらこそ」


触れる肩から、赤松さんの温もりが伝わってくる。



__この暖かさが、〝幸せ〟ってやつなんだろうな。



◻️◻️◻️



《赤松 翠 Side》



日曜日のお昼。


キッチンでクッキーを作っていると、リビングで流れるテレビの音が聞こえた。


『幸せが、動き出したら。ゼクシィ』


クッキーの生地を練りながら化学の公式を思い出していた私は、ふとそのCMの音に意識が持っていかれた。


…結婚、か…。


まず同性同士で結婚出来るようにしてほしいところだけど。


森丘さんは、スラッとしていてスタイルがいいから、ウェディングドレスが似合うだろうな。


背が高いから、マーメイドドレスも着こなせそう。

足も長いし、タキシードもきっと似合うなぁ。


そこまで考えて、はっと我に返った。

何考えてるの、私。先走りすぎ。


まずはプロポーズでしょ、もう!!



生地がいい感じになってきたので、私は型を取り出そうと引き出しを開けた。


星やハートの型を見比べながら、どれにしようと考える。


__森丘さんのことを考えると、それだけで元気が出るな。


実をいうと、クッキー作りは最近の受験勉強で溜まったストレスを発散するためだった。


だけれど、さっきの結婚の妄想で大分癒されてしまった。


…うん、型はハートにしよう。

そして美味しく出来たら、森丘さんに渡そう。


生地を薄く伸ばして、のし棒をカウンターに置く。


私は普段の感謝と__



__〝大好き〟の気持ちを込めて、ハートの型を生地に押し込んだ。

ここまでお読み頂きありがとうございます!

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▼百合短編書きました▲

【百合】レズ活したら、失恋した美少女幼馴染と同じ顔が来た

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