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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)キャンピングカー


これは友人から聞いた話


友人の叔父さんが所有していたキャンピングカーを借りて恋人と旅行に出掛けたそうだ


予約していたオートキャンプ場に着くとオフシーズンで彼らだけだったらしい


和気あいあいと夕飯も済ませ夜景も楽しみ盛り上がったままベッドになだれ込んだ


お互い日常とは違うシチュエーションに興奮していると外がどうも騒がしい


(何だよ、こんな時に…)


と初めは気にも留めてなかったが彼女が気にしだして興醒めしてしまい一旦やめる羽目に


友人は怒り心頭で車中から外を見るが誰もいない


外に出て確認しても見えるのは所々に設置された控えめの明かりだけだったらしい


お預けを食らった友人は気を取り直してムード作りからやり直し彼女も盛り上がってきた


さぁ、これからいよいよ…となった瞬間また外がざわざわと騒がしくなった


友人は「風の音だよ」と誤魔化しつつ目的を果たそうとスルーを決め込んだ


あと少しで一つになれる、そんな時に仰向けになった彼女が悲鳴を上げた


目線の先には天井の小窓がありそこから誰かが覗き込んでいた


二度も邪魔をされた友人はぶちギレて半裸のまま車を飛び出したが

外は人っ子1人おらずただ虫の声が聞こえるだけだったそうだ


ここで異常に気付いた友人は急いで片付けを済ませキャンプ場を立ち去った


「で、結局その影は何だったのよ?」


帰ってきて不満を漏らしていた友人に聞くと


「そんなの分かる訳ねぇよ…

ただ落ち着いて考えたら車の天井に誰かが登ってたなら多少は揺れるなりするだろ?

揺れも音もしなかったのもあるんだけどさ…」


言葉を濁し出したので更に問い詰めると


「彼女にゃ言わなかったんだけどさ、天井よりも横の窓に子供が沢山いたんだよ」

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