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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊) ふと立ち止まったまま


半年前位前の事


友人達と温泉旅を計画し県北にある温泉郷を目指した


1泊2日の旅だがお姉ちゃんがいる高目な店で飲むより安い、と友人の1人が企画したのだ


地元過ぎて久しく来ていないから見るモノも新鮮で来た事のある奴も当時との違いに興味深そうにしていた


ひなびた温泉郷なのでそれほど見るモノもない


「飲むにはちと早いな…何処か観光地にでも行くか?」


こんな事を友人の1人が言い出したので俺は


「あ、じゃあソコの人に良さげな所聞いてみるわ」


と近くに立っていた野良着姿のおばちゃんに聞きに行った


「あのー、すんません」


。。。


「あのー?」


。。。


「おーい、○○~‼行くぞー‼」


え?もう車出してんじゃん⁉


友人達の急な行動に少し腹を立てながら車に乗り込んだ


「何だよ?俺が穴場情報聞く迄待てねぇのかよ?」


「は~…馬鹿かお前?まただぞ?」


と言われてハッとなった


昔から時々生きてる人間と見分けがつかなくて霊に話しかけたりしてしまっていた


友人達にとってはいつもの事、実際話しかけてる霊を見た奴もいるので真贋はどうでも良いそうだ


「えー?でもあのおばちゃん、散歩中にふと立ち止まったって勢いで立ってたから気付かなかったよ…」


「お前が急に道路の反対側に走って行って誰もいない所に話しかけてたから宿の人驚いてたぞ?」


「…恥ずかしいな、そりゃ」


「だから車出して逃げたんだよ‼」


ひなびた温泉郷の何でもない道路の端でふと何かを見上げて立ち止まっていたあのおばちゃんは


まだあの場所にいるのだろうか?

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