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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)立つ人


東京で学生してた時の話


同じクラスに偶然同郷のヤツがいてソイツの部屋で友人数名と宴会をする事になった


夜も更けて終電近くになり数名帰ったが俺ともう1人は飲み明かす事にした


その1人が潰れて友人と2人きりになった時、友人が思い出した様に俺にこう言った


「そういえばさ、向かいのアパートの…多分女なんだけど気持ち悪いのがいるんよ」


酔いも手伝って2人でそっと窓際に移動し、ブランドを少し開いて向かいのアパートの一室を覗く

カーテン越しに人影が窓際に立っている


「な?あの女、夜中はずっとああして立ってるんだよ。気持ち悪いだろ?」


厚手のカーテンなのか辛うじてシルエットで女性と分かる人影は動く事もなくただ立っている


暫く見ていても微動だにしないので飽きてテーブルに戻り友人の話を聞いた


友人曰く1週間程前に気付いたその人影は夜中ずっとあそこで立ち続けているらしい


(世の中変なヤツもいるんだな…)


これ以上、話も膨らまないので2人は直ぐに別の話題で盛り上がりその日は楽しんだ


数日後、友人があの女の続報をいきなりぶっこんできた


「昨日さ、マンションの前にパトカーが停まってて何事かと思ったんだけど…」


友人や俺が見たあの人影は実は首吊りした女性のシルエットだったらしい


夜は室内の明かりで影が映り、昼間は厚手のカーテンで見えなかっただけで


立っていたのではなくぶら下がっていたらしいのだ


「でもおかしいんだよな?…何回か見てるけど時々横を向いて立ってたりしてたんだけど…」

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