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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)柿の木


小学校の校庭の隣に一軒の家があり、ソコには大きな柿の木があった


秋になると実が沢山実って小学生なら誰しも取って食べようと試みるのだが

ソコになる実は渋柿で歴代の小学生を渋い顔にさせていた


ソコの家主である爺さんが収穫し、干し柿として庭先に吊るすのだが

少数の子供に(内緒で)干し柿を分けていた


ある年の春、噂では病気を苦にした家主が柿の木で首を吊って亡くなった


学校に早目に来た先生が見つけて通報したとの事でその日は警察やら何やらで騒がしかった


干し柿を貰っていた俺達はこれからは貰えないのを非常に残念に思っていたのを覚えている


季節は変わり夏休みも終わり二学期が始まった

まだまだ夏休み気分が抜けない俺達は放課後も校庭でドッジボールやサッカーをしていた


徐々に日が落ちるのも早くなり夕暮れが迫る校庭であの柿の木に何か黒いモヤが揺れていた


気付いたのは他の子供、「あれ何だよ⁉」という声で皆柿の木を見て大騒ぎになった


黒いモヤはユラユラと揺れながら次第に薄くなって消えたが翌日から学校中に広まった


授業中から柿の木が気になって集中出来ない生徒や親に怖いと訴える生徒が多数出た為

1週間もしない内にその柿の木は伐採されてしまった


更地になり新しい建て売り住宅が建ち並んだ風景を見てもあの柿の木は記憶に残っている

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