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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(人)こうなる事は知ってた


学生時代「自称霊感が強い」ヤツがいた

個人的に考えると「霊感」と言うより「直感」に優れたヤツで

結構な確率で事前に起こる事を予知してしまっていた


彼の「直感」は小さい頃からの様で「こうなる事は知ってた」が彼の口癖だった

そんな性格だから次第に友人も疎遠になり俺も上京に合わせて連絡も途絶えていたのだが

暫く経って地元の友人から「アイツ、死んだよ」という訃報を帰省中に聞いた


久しぶりに飲み屋で語られた彼の話はどうやら当時の友人達との心霊スポット巡りの最中に

腐った床が抜けて転落、運悪く死んでしまったという事だった


酔いも回って友人は彼女に迎えを頼んだのでついでに送って貰う事になったのだが

帰りしなにその心霊スポットに立ち寄って供養をしようという流れになった


行ってみると事故の影響か既に取り壊されて周囲をフェンスで囲われていたので

外から「成仏しろよ」と声を掛けて帰宅した


その日寝苦しさにうっすら目を覚ますと目の前に件の彼が立っていた

声は聞こえないが口がパクパクと動いている


「あぁ、そうだったな…」


そう声が出たかどうかは分からないが告げると彼は満足げに消えていった


聞こえはしなかったが言いたかった事は分かる



「こうなる事は知ってたよ」

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