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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)雨の通り道


子供の頃、夏の夕方には必ずと言って良いほど夕立が降っていた

田舎過ぎて川遊び位しかなかった俺達は帰りに夕方を浴びながら水着一丁で帰ったものだ


夕立は通り雨なので大体「雨の切れ目」がある

晴れている道路でチャリを漕いでいると向こうから雨のカーテンが近づいてくるのだ


「あー、夕立来ちゃうよー」

友人の言葉に周囲を見回すと背後から雨が迫って来ている

ずぶ濡れになると親に怒られるので必死に漕ぐのだが結局間に合わなくて諦める


ザザーー、ゴロゴロ…

激しい雨脚に捕まってやむ無く近くの家の軒下に避難した

渇いた道路に打ち付ける雨が煙の様に視界を狭める


「あ!あの人大丈夫かな?」

その声でふと道路をみやると数百メートル先に白っぽいワンピース姿の女性が立っていた

(こんな所で若い人見るのも珍しいな…)

そんな事を思って見守っていると雨脚が徐々に弱まってきた

通り雨の名の通り雨雲が通り過ぎようとしている

「あれ?あの人どこ行った?」

一瞬目を離した隙にかの女性の姿が消えてしまっていたのだ


田舎の一本道、隠れる場所も遮るモノも一切ない

雨が通り過ぎた後、皆でその付近迄行き辺りを見回したが結局その女性は見つからなかった


本当に人がいたのかよ!?と後日他の友人達にからかわれたが一緒に見た奴等もいたし間違いない

一度だけだし怖いとも思わなかったけど人なのか霊なのかもう一度会ってみたい

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