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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)あれ?

東京に住んでいた時の話。


芸人が良く住むエリアに居を構えていた事がある

当時は若貴ブームで街全体が盛り上がっていて勝つと商店側が値引きセールをやっていたので多いに助かったものだ


都会とは言え住宅が多いこのエリアは深夜ともなれば静まりかえる

人通りも車もまばらになるので時折夜の散歩が楽しみとなっていた

移り住んでから気付いたのだが時々突発的にサイレンが鳴り響く事があり何事かと思っていたが

どうやら歌でも有名な川が氾濫するらしくその為の警報だと言う事を聞かされた時には驚いたものだ


そんなある日、多分梅雨の時だったと思う

傘を基本持たない俺は小雨を浴びながら駅から歩いていた

サラリーマンやOLさんは小走りで俺の脇をすり抜けていく

こっちは悠長なモノでのんびり景色や店先の商品を眺めながら歩いていると例のサイレンが鳴り響いた


(ん?こんな小雨なのに珍しいな?)


どう転んでも氾濫なんかしなさそうだったのだが盆地だから雨水が集まって氾濫してしまうのかな?と考えていると

橋の方から何か騒音が迫ってくる様な気がした

その内に橋の袂にたどり着いたので何気に川の方を眺めてみると


どう表現したら良いか、適当な言葉が見当たらないのだが上流から大きな塊が迫ってきていた

水でもなくゴミの塊でもない

人が折り重なって山を作り、塊に見えていた

その「塊」は橋の十数メートル手間まで迫ってくるとスッと消えてしまった

一体あれは何だったのだろうか?


空襲で亡くなった人達の亡霊か?とも想像してみたが確認する術もなし、

不思議さと不気味さを抱きつつアパートへ戻った

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