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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(怖)恨みは怖い

復活の狼煙(?)として2話投稿してみました!


はぁ~…完全復活はいつになる事やら・・・

この話は最近知り合いになった知人が酔った勢いで話したこぼれ話なのだが後味が悪い内容なので此処に吐き捨てておく


彼を知人A、としておこう

Aとは通院している病院で道を聞かれた切欠で仲良くなったのだが普段は冗談ばかり言う気さくな性格だ


そのAがある日飲み屋でこんな話を切り出した


「小学生の頃の同級生にBってヤツがいたんだけど…」


内容の前半ほよくある話でBはクラスの皆に軽くイジられるポジションで本人もニコニコしていたからAも含めた全員が「いじめ」じゃなくて「イジり」だと思っていたそうだ

そんなクラスの中で執拗にBイジりをしていたCという悪ガキがいてCはガキ大将みたいなポジションだったらしい


田舎の小学校なので進級しても特に顔ぶれが変わる事なく卒業式を迎えたのだがソコで事件が起こった


卒業式が終わって生徒や親が式の余韻に浸ってワイワイしている最中、Bが突然Cに向かって怒鳴りだしたのだ


「お前がしてきた事は一生忘れないからな!」


突然叫んだので誰もが呆気にとられる中、Bは謝りながら追い掛けていく両親を置いてさっさと体育館を出て行ってしまったそうだ


勿論突然の事でその場にいた全員が「何だ、アイツ?」という雰囲気に包まれたがAを含めた数人はきっとBはイジられるのが耐えられなかったんだろう、と察した


春休みの間にBに謝りにA達数人が家に行ったのだがBは笑って許してくれた

だがBは「Cだけは許さない」と言って考えを曲げなかったそうだ


中学に進級して少ししてBは親の都合で転校し、それから暫く会っていなかったのだが

数年前、事業で成功したとかで再び地元に戻って本社を移転したそうだ


昔程ではないが寂れた田舎街に大きな建物を新築していかにも羽振りが良さげなBにA達は「故郷に錦を飾ったを地で行ったな」と噂していた


一方Bをイジり倒していたCは素行の悪さも手伝って大人になってからも定職に就かずフラフラしていて数年前、トラック運転手をしていた時に起こした事故の賠償を背負って生活が苦しいと吐露する位落ちぶれていたそうな


日々の支払いに困窮していたCは最近凱旋して来たBに少しお金を融通して貰おうという腹積もりでBの会社を訪ねた


その日はBとは会えずアポを要求すると数日後に何なら昔の同級生達と一緒にプチ同窓会みたいな形にしよう、と話を持ち掛けられCは金の無心だったので抵抗感はあったが背に腹は代えられないので渋々了承した


数日後、同じく呼ばれたAが案内された会場に向かうとその店はBが丸ごと貸し切りにしていて同級生達もちょっと引く位豪勢な会場に仕上がっていた


ソコに煤けた普段着でやって来たCを快く迎えたBは彼を壇上に連れて行きマイクを取ってこう言ったそうだ


「小さい頃、コイツは俺が何度もやめて!と言ったのにそれを面白がって余計に茶化した

その悔しさをバネに必死に働いて今の地位を得たが彼(C)は努力もせずにこの有り様、しかも羽振りの良くなったこの俺に金を集りに来たそうだ

恨んでいるヤツに金を出す位ならこうして他の仲間に大盤振る舞いした方が余程気持ちがスッキリするよ!」


この宣言にCは顔面蒼白、会場にいた同級生はドン引きしたそうだ


小さい頃の他愛ないイジり

それはイジる側の感覚であってイジられる方がいじめられた、と思っていたらそれはいじめなのだ。と


積年の恨みを皆の前で恥をかかせるという方法で復讐を果たしたBはその日上機嫌

恥をかいたCはそのまま直ぐに逃げる様に帰ってしまったそうだ


その後Aは少し畏怖を感じながらもBとは普段通り付き合い続けているらしいが

復讐を果たした時のBの顔は今でもトラウマになっているらしい


別に人に優しく、とは言わないが考えなしに人をイジるのは止めようという教訓が込められている様な実話だった


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